登録率が低調な理由としては、在外国民の関心不足と不合理な登録手続きが挙げられる。 現行法上、在外選挙に参加するには、現地公館を訪問して選挙人登録手続きを終えた後、投票期間にもう一度公館に行って投票権を行使しなければならない。 したがって登録申請期間を延長したり、公館の選挙担当領事が地域を巡回して登録申請を受け付ける方法を優先的に考慮する必要がある。 公正性を損なわずに便宜性を増進させる有力な方法になる可能性があるからだ。

在外国民の関心を増進させる努力も展開していかなければならない。 在外選挙の意味と手続きに関する広報を日常化し、韓国政治社会に関する幅広い情報を提供することで、在外国民の母国に対する関心を強めていく必要がある。 もちろん在外国民自身も有権者意識を持つべきだ。 在外選挙はすなわち、在外国民も韓国政治社会に対する責任感を共有すべきことを意味するからだ。

在外選挙はいま始まったばかりだ。 低い登録率はやや残念だが、それが在外選挙無用論の根拠になってはならない。 今後の課題も多い。 台湾のように公館が設置されていない地域に居住する在外選挙人と作戦地域を離脱できない派兵軍人を対象にした在外選挙案の合意点をまだ見いだせていないのも事実だ。 にもかかわらず、在外選挙は公的利益となる。 在外選挙は政府の在外同胞政策の変化と一般国民の在外国民に対する認識を転換する契機になる可能性がある。 また同胞社会のアイデンティティー強化と韓国人社会の活性化にも寄与するだろう。

韓国民主主義の発展は私たち全員の課題であり、在外国民も例外ではない。 選挙は政治の花であり、花は開花を待っている。

ソン・ソクウォン慶煕（キョンヒ）大教授（政治学）


【時論】在外国民選挙を成功させよう（１）