核持ち込みをめぐる日米密約の合意文を公開した人物が佐藤信二元通産相であることがわかった。佐藤氏は１９６９年の日米首脳会談当時にニクソン大統領とともに極秘に合意文を作成した佐藤栄作首相の二男に当たる。佐藤氏は自民党所属で、衆議院と参議院で９期にわたり議員を務め、運輸相と通産相を歴任した。合意文には「重大な緊急事態が起きた場合に米国は核兵器を沖縄に持ち込むことができ、沖縄を通過する権利がある」という内容が明示されている。佐藤氏が今回この文書を公開したのは政権交代が決定的な契機となった。与党となった民主党は核密約の存在公開など歴史究明に積極的に乗り出している。佐藤氏は「父がどう思うかわからないが、歴史に真実を残すことがなにより重要だ」と強調している。