朴槿恵（パク・クネ）大統領が２日、ロシア・中国・ラオス歴訪を開始し、「北の核の脅威が除去されれば自然に高高度ミサイル防衛（ＴＨＡＡＤ）体系配備の必要性もなくなるだろう」と述べた。また「ＴＨＡＡＤは第３国を目標にする理由もなく、実益もない」と話した。韓国は北朝鮮の核のためにＴＨＡＡＤを配備するだけで、脅威がなくなればいくらでも撤去する可能性があることを表したのだ。これはＴＨＡＡＤ配備に対するロシアと中国側の反発を意識した立場説明であり、状況によって柔軟に対処する可能性があることを表したのだ。

朴大統領が中露に向けてこうした「条件付配備論」を述べるのは適切な戦略だ。我々が激しい国内外の反対の中でもＴＨＡＡＤを導入するのは、自らの生命を守るための避けられない選択だ。今も北朝鮮は核兵器の高度化にまい進中であり、最近、潜水艦発射弾道ミサイル（ＳＬＢＭ）発射実験に成功した。こうした冷厳な現実の中で両国がただ自国の安保を害するかもしれないという理由で自衛権レベルのＴＨＡＡＤ配備に反対するのは自国利己主義にすぎない。

ミサイルには目がない。北朝鮮の核は永遠に韓日米だけを狙うと断言できるだろうか。北東アジアの平和と繁栄だけでなく、自らの安保のためにも北朝鮮の核は必ずなくなるべきであることを両国ともに銘記することを願う。幸い、最近は両国ともに対北朝鮮圧力に傾く姿だ。中国は最近、自国内の北朝鮮銀行を閉鎖した。また、自国金融機関の北朝鮮内支店新設および北朝鮮銀行の中国内新規支店設置も禁止されたという。

朴大統領はこうした雰囲気の変化を十分に活用し、ＴＨＡＡＤに反対する両国をなだめる必要がある。そうしてこそロシアとの経済協力に花が咲き、中国側の措置でふさがっている韓中間の経済・社会・文化交流が回復する。特に中国と韓国は、朴大統領が昨年の戦勝節記念式に出席し、習近平国家主席と望楼に立って親善を誇示した仲だ。今回の韓中首脳会談を通じて幅広い関係が回復することを期待したい。