政府が胚性幹細胞（ＥＳ細胞）論議を鋭意注視し、対策づくりに腐心している。
内部的には、黄禹錫（ファン・ウソック）教授の陳述に問題点が表れたことで、一線を引くべきではないかという意見も出てきている。
しかしソウル大調査委員会が各種疑惑に対する調査を強める中、ひとまずその結果を見守ってから対応しようという意見が優勢だ。
ある政府関係者は「黄教授の記者会見内容から、論理的に矛盾する点が表れている」と指摘した。
この関係者は具体的に、１月に汚染したＥＳ細胞の場合、通常の研究過程で作る分株細胞を確立せず、ＥＳ細胞汚染からサイエンス論文通過時点まで２カ月しかかかっていない点などを挙げた。
これとともに「凍結保管中のＥＳ細胞が５つあったとすれば、黄教授は疑惑が提起される当時から直ちに解凍作業をすべきだが、これを遅らせた理由なども疑問」と付け加えた。
政府側はこうした点を勘案し、最悪の状況を想定した対策も講じていることが伝えられた。
別の関係者は「ソウル大調査委の調査結果が出てくるまでは下手に動くことはできず、いろいろな状況を想定して対策を立てている」と語った。