中国国内の反日デモが3週間続いている。当初、数カ所の大都市で始まったデモは、いまや上海、瀋陽、香港など全国各地に広がった。デモの様相も、単純な街頭デモから日系企業・商店に対する攻撃、商品ボイコット、日系企業に勤務する中国人勤労者のストライキにいたるまで、さまざまな形態で表れている。逆に、日本でも中国国内のデモの過激性に影響を受け、日本国内の中国公館に対する攻撃、脅迫、抗議性の焼身など、暴力的対決の様相もみられる。
アジアの発展と平和、中日両国の友好協力のためにも、両国がこのように対立する姿を長期間放置するのは決して望ましくない。こうした対立と葛藤が続く場合、両国の過激な民族主義の気運が覇権争いをあおり、これが長期的には北東アジアの平和と安定の基調を崩すかもしれないからだ。