【コラム】20人部屋、18人部屋がもたらした韓国病院火災
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.30 17:15
人口10万人強の小都市密陽(ミリャン)市に母に向かった絶叫が山と野原を濡らしている。世宗(セジョン)病院火災による死亡者39人のうち80代以上の超高齢者が27人、女性高齢者が25人だ。厳しい寒さに出棺行列に立った40~60代の初老の子供たちの絶叫が母を慕う切ない歌のように聞こえる。
密陽市は全国の市の中で4番目に高齢化した都市だ。中位年齢(人口を年齢順に並べ、その中央で全人口を2等分する境界点にある年齢)が50.7歳だ(2015人口センサス)。昨年末を基準に2万6719人の高齢者が暮らしている。住民4人のうち一人が高齢者だ。世宗病院は老人病院に他ならない。患者の70%が70代以上だ。ここだけでなく、他の市・郡の病院も大きく変わらないだろう。ある知人は「白内障のために密陽に母をつれて市内眼科に行ったが、高齢者たちが多くて足の踏み場がなかった」と伝えた。