野党次期大統領候補と指導部が２０日、２時間ほどの「非常事態政治会議」を終えた後、朴槿恵（パク・クネ）大統領に対する弾劾カードを取り出した。

この日の会議には共に民主党の文在寅（ムン・ジェイン）前代表、国民の党の安哲秀（アン・チョルス）前常任代表、朴元淳（パク・ウォンスン）ソウル市長、安熙正（アン・ヒジョン）忠南知事、民主党の金富謙（キム・ブギョム）議員、李在明（イ・ジェミョン）城南市長、国民の党の千正培（チョン・ジョンベ）元代表、正義党の沈相ジョン（シム・サンジョン）常任代表の８人が出席した。崔順実（チェ・スンシル）政局で文前代表と安前代表ら野党の次期大統領候補が１カ所に集まったのは初めてだ。

会議では８項目の合意文が出てきた。▼国民の怒りに共感▼朴大統領の退陣▼検察の朴大統領に対する徹底捜査▼与党セヌリ党の痛切な懺悔と関係者への責任追及▼朴大統領が韓日軍事情報保護協定締結、歴史教科書国定化推進などから手を引く▼国民的な退陣運動と国会の弾劾推進の併行▼国会主導の首相選出および過渡内閣構成議論▼野党３党の協調および市民社会との連帯－－だった。

野党３党に要請する形式だった。党に影響力を及ぼすことができる大統領候補とはいえ、党代表と院内代表の公式指導部が別にあるためだ。しかし各党の大統領候補が合意した内容であるため、ほとんど貫徹されるというのが、野党関係者の分析だ。

８項目のうち新しい内容は朴大統領に対する国民的な退陣運動と国会での弾劾推進を併行して議論し、国会主導の首相選出および過渡内閣構成の細部方法を議論するという点だ。その間、野党側は李在明城南市長を除いて弾劾には消極的だった。国会の弾劾訴追案議決、憲法裁判所の審判など複雑で時間がかかる手続きを勘案すると、朴大統領の下野（自主的退陣）に力を注ぐべきだという認識が強かった。

この日の会議は野党の戦略が変化していることを見せた。決定的なきっかけは朴大統領と崔順実被告の共犯関係が指摘された検察の中間捜査結果発表だった。

弾劾に慎重な立場だった文前代表は「今でも大統領が退陣決断を下せば、大統領が名誉ある退陣ができるよう協力する」としながらも「朴大統領が持ちこたえる場合、法的に弾劾の理由が十分にある」と述べた。この日の会議を提案した安哲秀前代表も「主体の国会に弾劾議論を積極的に建議することにした」と明らかにした。

野党はひとまず２６日の大規模ろうそく集会でもう一度場外で朴大統領退陣に向けて強く圧力を加えるという。下野と弾劾を同時に進める「ツートラック」戦略ということだ。

弾劾の推進に関連してまた浮上しているカードが、国会の主導で首相を選出して過渡内閣を構成する案だ。速やかに進展しない場合に備えるということだ。国民の党の関係者は「弾劾は時間がかかる」とし「ゾウが倒れるまで針で刺すには弾劾局面を管理する責任首相が必要だ」と主張した。

野党３党代表は当初、国会を８日に訪問した朴大統領が国会の首相推薦を要請した際、翌日の９日に代表会談を開き、「一考の価値もない」として拒否した。その後、首相推薦の話が出るたびに主に民主党で朴大統領に退路を開く可能性があるとして反対してきた。

しかし政局が膠着状態になると、国民の党と安前代表を中心に（１）首相推薦（２）検察・特検の捜査（３）朴大統領の退陣などの順序で組まれた「秩序ある退陣論」が提起され、この日の合意文に関連条項が盛り込まれた。国民の党の関係者は「国会推薦首相は大統領の任期の保証を意味するものではない」とし「弾劾まで黄教安（ファン・ギョアン）首相が大統領権限代行をしないためには新首相が必要だ」と強調した。

しかし文前代表の場合、非公開会議で「国会推薦首相は退陣や弾劾を優先にした状態で議論されるべきだ」という主張をしたという。局面がろうそく集会政局から首相推薦局面に移るかもしれないという懸念だった。野党は今週の野党３党代表会合で、大統領候補らが合意した案をめぐり意見をまとめる計画だ。