【時視各角】サムスンのリコールとグローバルリスク(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.09.05 09:24
サムスン電子のギャラクシーノート7のリコールは避けられない措置だ。そんな中でもいち早く正しい選択をしたのは幸いだ。ギャラクシーノート7のバッテリーは内蔵型だ。スマートフォンは身体に近いところで携帯するものだけに消費者はバッテリーの火災に大きな脅威を感じざるをえない。もし睡眠中に充電していて火災でも起きれば、それこそ最悪の災難だ。アップルiPhoneのベンドゲート(曲がりすぎて折れてしまう問題)やデスグリップ(iPhoneの下部を持つとアンテナ電波受信がうまくできない問題)とは次元が異なる問題だ。
歴史上有名なリコールはすべて生命と安全が絡んでいる。ジョンソン・エンド・ジョンソンは1982年の解熱鎮痛剤「タイレノール」青酸カリ混入事件で8人が死亡したことを受け、市中に出回っていたすべてのタイレノールをすぐに回収した。これによって当時2億4000万ドルの損失を出したがタイレノールの信頼は守った。その逆の事例が2000年の米国ファイアストンだ。同社はタイヤの欠陥を隠し、米国で46人が亡くなって初めて遅まきながら650万個のタイヤをリコールした。米政府が国民の生命に関係する重大な懸案と判断したためだ。ファイアストンは結局破産に追い込まれ、日本ブリヂストンに売却された。