【コラム】真の謝罪・法的責任追及し米国から実利得るべき=韓国(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.01.04 11:31
外交は現実政治(realpolitik)に基づいて政策を樹立するため、実利を得ることが核心だ。米国が同盟国にアジアインフラ投資銀行(AIIB)に加入しないことを強力に圧迫したが、同じアングロサクソンの英国が1兆5000億ドルの国債発行コミッションを狙ってAIIBに加入し、フランスやドイツは自らの高速鉄道を中国に販売しようとの計算で英国の後に従った。しかし実利が重要な外交でも時々、大義名分のほうが重要な場合がある。慰安婦問題がそうだ。
慰安婦問題は単に賠償あるいは補償の問題ではない。その裏には女性としての尊厳と民族の自負心の問題が内包されている。慰安婦問題は人権を侵害した反倫理的な事案なので、お金で解決できる問題ではない。核心は日本が法的責任を負わなければならないということだ。それで政府は2005年、慰安婦問題が1965年の請求権協定で解決されていないとの結論を下した。政府がこの基調を維持して真の謝罪と法的責任の約束を受けるべきだったという物足りなさが残る理由だ。岸田外相が帰国して「日本が失ったものは10億円しかない」とした発言と「少女像を撤去しなければ10億円を出さなくてもかまわない」という日本の立場が議論されるのは、政府の問題意識が透徹できなかったことを反証するものだ。