韓銀の次は政府、今月末に浮揚策…経済心理“防疫”へ(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.06.12 08:46
MERSが拡散し始めた後、防疫当局に劣らず忙しかったのは韓国銀行(韓銀)だった。特に政策金利を決める金融通貨委員会(11日)を控えた1週間、韓銀モニタリングチームは毎日、景気をチェックし、李柱烈(イ・ジュヨル)総裁をはじめとする首脳部に報告した。報告書には大手流通企業の売上高、遊園地入場者数、クレジットカード会社の決済額なども含まれた。異常兆候は時間が経過するほど明確になった。韓銀金融通貨委員会がMERS判定が出てから1カ月足らずで政策金利引き下げを決めたのは、こうした現場モニタリングのおかげだった。
これには昨年4月のセウォル号惨事の学習効果も作用した。セウォル号惨事の前、韓銀は景気を楽観していた。このためセウォル号による消費委縮が本格化しても動き出さなかった。結局、4カ月過ぎた8月に政策金利を引き下げたが、一度折れた消費心理はなかなか回復しなかった。経済的な波紋が大きい事件であるほど先制対応が重要であり、心理戦で劣勢になれば挽回が容易でないという教訓を、大きな代価を支払って学んだのだ。この日、李総裁が明らかにした利下げの背景のキーワードも「心理」と「先制対応」だった。李総裁は記者会見で「経済主導者の心理委縮が現実化しただけに、一歩速く動き出すのが望ましいと判断した」と述べた。