【社説】原油価格下落、韓国経済の体質改善の契機に
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2014.12.14 13:14
国際原油価格が急落し世界経済は激変期を迎えている。12日のニューヨーク商品取引所ではウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の1月引き渡し分が前取引日より3.6%下落の1バレル当たり57.81ドルで取り引きされた。2009年5月以降で最低だ。韓国が多く輸入する中東産ドバイ原油の現物価格も1バレル当たり60.51ドルを記録、60ドル割れが迫っている。国際原油価格はすでに3カ月で40%落ち込んでいる。下落傾向は当面続く見通しだ。石油輸出国機構(OPEC)加盟国が減産合意に失敗した上に、米国のシェールオイル生産が続き供給過剰状態が続いている。世界経済の沈滞で原油需要も減っている。今年の世界の石油需要増加量は昨年の半分にすぎない水準だ。
原油価格下落は韓国経済にはひとまず好材料だ。オックスフォードエコノミクスの研究結果によると、原油価格が1バレル当たり40ドルにとどまれば、2015~2016年に韓国経済は年平均4.1%成長すると分析された。これに対しこの期間に産油国であるロシア経済は2.5%縮小し、サウジアラビアの経済成長率は0.1%にとどまると予想された。韓国は昨年だけで1000億ドル相当の原油を購入した。原油価格が下がれば企業の製品生産費用が減り輸出が増加する。韓国の国内市場に出す製品の価格も低くなり物価が安定する。消費者の実質購買力は拡大し、経済は善循環するというのがこれまでの定説だった。