済州道（チェジュド）が中国資本の大規模投資計画に対し相次いでブレーキをかけている。済州道の元喜竜（ウォン・ヒリョン）知事は就任後、神話歴史公園、ドリームタワー事業など道内の中国資本による投資を原点から見直すと明らかにした。それを受けチャイナテディは１７日に西帰浦市（ソグィポシ）に推進中のリゾート開発事業の投資振興地区指定申請を撤回した。この会社は１３５３億ウォンを投資してコンドミニアムと美術館を作る計画だった。投資振興地区に指定されると１６６億ウォンの税金減免を受けられる。だが、「リゾート用地に小規模な美術館などを組み入れて税金優遇だけ得ようとしている」との非難が起き自主的に撤回したのだ。

済州道はいま中国資本が大挙押し寄せている。上半期だけで中国人は２７７万平方メートルの土地を取得した。海岸、山間地域だけでなく都心のビルや商店街まで片っ端から買いあさっている。このため済州道の地価上昇率は韓国で最高だ。中国人観光客で市内のホテルと商店街、免税店などは好況に沸いている。

だが、乱開発の懸念も大きくなっている。中国最大の不動産開発業者の緑地グループが１兆ウォンを投資して済州市内に作る計画のドリームタワーはスカイラインを台無しにする５６階建てビルとカジノで住民たちの反対に遭っている状態だ。中国の藍鼎グループが２兆５６００億ウォンをかけて西帰浦市に推進中のリゾート事業も済州道が補完を要求し事業が中断された。このリゾートにもカジノが入るという噂が出ている。

中国資本が入ってきても済州道に入る利益が少ないという点も問題だ。中国人観光客はほとんどが中国資本が経営するホテル、カジノ、商店ばかり利用するということだ。中国系大規模リゾートとカジノが完工すれば中国人観光客がここに集まり、韓国企業はむしろ経営難に陥りかねないとの懸念が出ている。

最近済州道に初めての外国営利病院として推進された中国系の善爾病院の設立が失敗に終わった。資格要件をしっかりと検証しなかったために起きたハプニングだった。中国資本を誘致して観光客をもっと誘致しようという方向性は正しい。だが、投資が環境を害さないか、韓国の利益はどれくらいになるのか、韓国資本との逆差別はないのかなどを細かくチェックして玉石を選り分けなければならないだろう。