【コラム】韓民族共同体、どこへ向かうのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.12.30 15:24
また今年一年を送る年末は、とりわけ重くるしくて不明瞭だ。何よりも北朝鮮の張成沢(チャン・ソンテク)処刑は安保危機を超えて民族共同体の統一の展望をより一層暗くする憂鬱な事件だった。21世紀まで残っている北朝鮮の全体主義体制が今後どうなるかは別にして、最後には韓民族共同体の中で一緒に生きていくべき北朝鮮社会の深刻な病理現象を眺める私たちの心配は、一層深くならざるを得ない。統一国家を作っていくためには、何よりも社会統合が優先されなければならない。しかし韓半島(朝鮮半島)という垣根の中で数千年を共に生きてきた私たちの民族のアイデンティティを担保にしたものが1つの社会、1つの文化、1つの言語、さらに進んで1つの血縁でつながった共同体意識に国土統一に匹敵するよう新たに社会統合を強調することは容易なことではない。民族や国家を明らかに区分するよりも、むしろ一致させてきたのが私たちの政治文化の伝統だったからだ。
帝国主義時代の遺産である強大国の密室交渉の結果として、他律的な国土分断を強いられて東西冷戦という世界的理念の葛藤の渦中で2つの国家体制を樹立したのに続き、朝鮮戦争という史上最大の民族的試練を体験した私たちにとって、冷戦の終息、88年ソウルオリンピック、ドイツ統一に象徴される歴史的転換期は平和統一へ向けた戦略的な機会を運んできた。1989年秋、民主化の開花と興奮の中で広範囲な国民世論が結集して国会で与野4党の合意で採択された「韓民族共同体統一方案」はまさに単一民族国家の伝統と統合を新しく確認するきっかけとなった。