◆中国人に安い中国製品を売ることも

ホテルやデパートの免税店も形式的な訪問に終わった。ガイドは観光客に「デパートは高いから見物だけでいい。午後に安いショッピングセンターに行ってたくさん買えばいい」と話した。午後のスケジュールはほとんどショッピングに割かれた。しかし観光客のショッピング満足度は高くない。中国人が観光客の大部分なのに売り物の相当数が中国製だからだ。

また、免税としながらも価格は決して安くない。Ｃショッピングセンターで中国人が好む韓国製圧力炊飯器は４１万８０００ウォン（およそ３万７２００円）だった。韓国内のオンラインショッピングで３０万ウォン弱で購入できる商品だ。北京から来たワンジャオさん（６０）は「デザインが気に入って水筒など１４万ウォン分を購入したが高い感じ」と話した。

ガイドが観光客をショッピングセンターに連れて歩くには理由がある。匿名を希望したショッピングセンターの関係者は「ショッピング額の３０～６０％を観光会社に手数料として渡す」と打ち明けた。その一部がガイドに返るのはもちろんだ。このように手数料を業者が分け合うことは、ショッピングセンターでの品物価格を引き上げる要因にもなる。

韓流熱風などに乗って韓国を訪れるクルーズ観光客は毎年増加している。昨年に釜山、仁川、済州、麗水に入ってきたクルーズ観光客は合計２７万７３００人。２００８年の５万２５００人に比べて４年間で５倍に増えた。昨年にやってきた２７万人余りの観光客のうち、半数を越える１４万人が釜山に留まった。このような“大韓民国クルーズ観光１番地”釜山のクルーズ連係プログラムが観光客から不満の声を聞いている。

◆海雲台・チャガルチ市場はスケジュールになし

インフラも不足している。釜山にあるクルーズターミナルは東三洞（トンサムドン）国際ターミナル１つだけだ。１日に２隻が入ってくれば１隻は貨物が出入りするコンテナターミナルに船を停泊させなければならない。クルーズターミナルからは市内をつなぐシャトルバスもない。このため一部の観光客はメーター料金の２倍ほどになるぼったくりタクシーに乗らなければならない。

釜山発展研究員のチェ・ドソク博士は「地方自治体がクルーズ観光客の誘致実績にだけ関心を払い、連係プログラム作りを疎かにしてできた現象」とし「高級クルーズ観光客の財布を開かせるには、しっかりと構成された連係観光プログラムを開発しなければならない」と話した。


クルーズ船を貨物埠頭につけてぼったくりショッピング…中国観光客“不満”（１）