ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）の韓日代表チームの指揮官、柳仲逸（リュ・ジュンイル）監督と山本浩二監督はともに「スモールベースボール」を強調する。長打や本塁打より盗塁・バント・進塁打でチームプレーを極大化させ、細かな試合運びをするということだ。組織力を重視する野球という点では同じだが、両監督が頭に描く「スモールボール」の内容は違う。

◇“豊か”な柳仲逸式スモールボール

柳監督は「無条件にバントをするのがスモールボールではない。基本的にスモールボールができる土台がなければいけない」と話した。柳監督が強調するスモールボールの必要な条件は大きく３つある。

▽投手陣が失点をしないという確信▽俊足を武器で盗塁ができ、短打でも一塁から三塁まで走る能力がある選手▽１点を守れる信頼できるクローザー－－だ。

多彩な作戦駆使とブルペン陣の運用に代表される「柳仲逸式スモールボール」はＷＢＣでも可能とみられる。ワンツーパンチの尹錫ミン（ユン・ソクミン）と張ウォン三（チャン・ウォンサム）をはじめ、ＮＣダイノス（韓国新生球団）との練習試合で検証されたブルペンは、韓国代表チームの大きな力になった。

練習試合２試合で韓国代表の失点は１試合当たり平均１．５点。実戦感覚を高める段階という点で、さらに期待が膨らむ。特にリーグ最高クローザーの呉昇桓（オ・スンファン）と鄭大ヒョン（チョン・デヒョン）が韓国代表のダブルストッパーという点で、１点差のリードでも問題ないという反応だ。

◇足にも期待

昨季の盗塁王・李容圭（イ・ヨンギュ、４４盗塁）を含め、２０盗塁以上をマークした金相洙（キム・サンス、２５盗塁）、鄭根宇（チョン・グンウ、２２盗塁）、田峻ウ（チョン・ジュンウ、２１盗塁）、姜正浩（カン・ジョンホ、２１盗塁）、崔廷（チェ・ジョン、２０盗塁）がＷＢＣのグラウンドを駆け回る準備をしている。これら選手は盗塁だけでなく、作戦駆使能力も優れ、柳監督にとって心強い存在だ。柳監督は「短期戦ではバントやヒットエンドラン、次のベースを狙うベースランニングが重要になる。今回の代表チームは走れる選手が多い」と期待を表した。

“大砲３人組”李大浩（イ・デホ）、金泰均（キム・テギュン）、李承ヨプ（イ・スンヨプ）は、柳監督のスモールボールにはボーナスだ。大量失点しても、３人の打撃に期待できるからだ。３選手とも国際大会で本塁打を放った良い思い出を抱いている。


＜ＷＢＣ＞同じようで違う韓日スモールボール（２）・・・不安な日本

【特集】２０１３ワールド・ベースボール・クラシック