起亜（キア）タイガースの宣銅烈（ソン・ドンヨル）新監督（４８）はスーツを着て就任式をする前、赤いタイガースのユニフォームを着ることを望んだ。このため、あいさつの場所を光州（クァンジュ）球場に移して選手団と会った。初めて着た起亜の赤いユニフォームを触りながら宣監督は語った。「どうですか、似合いますか」。

宣監督は「光州とタイガースは私にとって特別な意味を持つ。タイガースの監督に就任して光栄に思う。皆さんには、これから個人の欲を捨てることをお願いしたい。‘私’ではなく‘私たち’を優先に考えてよいチームを一緒につくっていこう」と述べた。

あいさつを終えた宣監督はスーツに着替え、起亜自動車光州工場の講堂で就任式を行った。起亜球団は２１日、「宣監督と３年総額１６億４０００万ウォン（契約金５億ウォン、年俸３億８０００万ウォン）で契約した」と発表した。

－－故郷の光州に戻ってきた感想は。

「１９９５年にヘッテ（起亜タイガースの前身）を離れてから（日本の中日とサムスン監督を経て）１６年ぶりに光州に戻ってきた。昨日の晩にソウルから運転してきたが『光州がこんなに近かったかな』と思った」

－－どんなチームを作りたいか。

「名門球団、強くて良いチームで作りたい。精神力だけは必ず他のチームを圧倒したい。勝敗に関係なく９回まで最善を尽くすチームになればいい。ヘッテ・タイガースがそうだった。‘タイガーズ精神’を継承したい。監督やコーチではなく、先輩が後輩を引っ張るチームが強いと思っている」

ヘッテは１９８３年から９７年まで９度も韓国一になった。スター選手もいたが、選手１、２人に依存するチームではなかった。‘国宝投手’宣銅烈が離れた後、９６年、９７年の韓国シリーズでも優勝した。ヘッテは００年８月に起亜に買収された。

－－サムスン監督時代とはどう違うか。

「私が０５年に指揮棒を握った時、サムスンは攻撃力が強いチームだった。投手力を強化して０５年、０６年に優勝した。起亜は先発投手と中心打線がいい。しかし作戦遂行能力は落ちる。秋の練習で起亜に合うカラーを探してみる」

宣監督はインタビューで「起亜に合う」という表現を繰り返し使った。宣監督を補佐するコーチはイ・スンチョル・ヘッドコーチを含めてタイガース出身者で構成中だ。