今はもう成長率と同じくらい成長の質についても考えなければならない。成長の果実が全体に行き渡るように経済政策基調から見直さなければならないだろう。特にお金よりも均等な機会を提供する「生産的福祉」は積極的に拡充する必要がある。こうした点で昨年の所得不平等水準を表す代表的な基準であるジニ係数が下がったのは注目すべき点だ。失業給与、希望勤労、勤労所得奨励税制などが本格的に執行され、低所得層に実質的な恩恵が回り始めたのだ。

また二極化解消のために経済成長を犠牲にしてはならない。昨年下半期から失業率が減少し、正社員の比率ははっきりと増えている。経済成長にともなう効果のおかげだ。こうした流れを着実に継続してこそ持続可能な所得再分配を期待できる。サービス分野の規制を果敢に緩和し、新しい雇用を創出することも重要だ。これは二極化のもう一つの軸である自営業没落への対策でもある。「２０対８０社会」の到来を防ごうとするなら、政府の力だけでは限界がある。米経済学者フリードマンは「米国が滅亡するなら、それはおそらく二極化のためだろう」と警告した。私たちの共同体の未来のためにも国民と企業、政府がともに悩みを分かち合う時だ。
【社説】「２０対８０社会」 …再分配・福祉の見直しを（１）

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