【社説】世界通貨戦争の流弾を警戒する
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.10.01 15:34
米国下院が「公正貿易のための為替改革法案」を可決した。 事実上、中国を狙って為替レート操作国の輸入品に報復関税を課せる法的根拠を用意したのだ。 単なる一過性の事件ではない。 すでに米中間には砲煙が立ち込めている。 中国が米国産鶏肉製品に反ダンピング関税を適用すると、米国は中国産の銅管に相殺関税を課した。 最も警戒しなければならない通貨戦争と保護貿易紛争が同時に進行している様相だ。 その背景には経済覇権をめぐる複雑な利害関係が絡んでおり、構造的に解消するのは難しい。
金相場は金融危機前に比べて1オンス当たり1300ドルと2倍以上に上がった。 米国がドルを無差別に供給した後遺症だ。 それでも米国経済は相変わらずだ。 米国の慢性的な貿易赤字はむしろ拡大している。 その半分を対中貿易赤字が占めているが、中国は人民元切り上げに動こうとしない。 為替法案を可決した直後、「長い間われわれは対中貿易赤字が増えるのを黙って見てきた。今は行動に移る時」というナンシー・ペロシ米下院議長の発言には怒りが込められていた。