世界は今、歴史の転換期に立っている。 資本主義が深刻な挑戦を受けていて、世界経済は大恐慌以後最も深刻な沈滞に陥った。 英国・米国など市場資本主義の本山で政府の市場介入が拡大し、国家の役割が強調されている。 今回の危機を受け、共産党の一党独裁と強力な国家主導の経済発展戦略をとっている中国が、国際政治と世界経済で米国に次ぐ勢力に浮上した。 経済発展戦略において「ワシントンコンセンサス」ではなく「北京コンセンサス」に従うという開発途上国が増えている。 世界の潮流はどこへ流れているのか。
資本主義と市場経済モデルは今回の危機と挑戦も最終的に乗り越えるはずだ。 人間の創意性と成就動機を刺激して経済社会全体の発展と成長を実現するうえで、これに代わる制度を見いだすことができないからだ。 しかし歴史を通じて資本主義は自ら安定的な発展をするのは難しいモデルという点を見せてきた。 西欧では19世紀末から反独占法・公正取引法・労働法、そして福祉強化など制度的な装置が市場万能主義を補完してきた。 国家の機能もますます拡大した。 先進国で公共部門支出が国民所得に占める割合は、19世紀末の平均10%未満から第2次世界大戦直前には20%を上回り、第2次大戦後にはほとんどすべてのヨーロッパ国家で40%を超えた。 このような「混合経済」モデルが1970年代まで西欧経済の安定的成長を率いた。 80年代に入って始まった「新自由主義」は米国・英国の経済活性化をもたらし、共産圏の崩壊、グローバル化とともに全世界の経済モデルとして広まってきたが、これも結局、危機にぶつかった。