政府がまたも公企業改革に拍車をかけるようだ。先週末に70の公共機関長を呼び、「公共機関先進化ワークショップ」を開いたという。この席で監査院の金滉植(キム・ファンシク)院長は、公企業を放漫に経営し脱法的な労使協約を結んだら経営陣を解任すると圧迫した。李明博(イ・ミョンバク)大統領も昨日、「席に未練を持つな。自信がなければ自ら退け」と促した。
当たり前の話だ。それでもまるで頼もしくない。そういえば過去の政権もすべて発足当初には公企業改革を主唱した。民営化と効率性向上を叫びながら改革のシナリオを描いた。それでもいつも竜頭蛇尾に終わった。最も大きな理由は無能な経営者の選任だとみる。有能な経営者を選び公企業を任せていれば今とはまるで違っていただろう。ポスコの朴泰俊(パク・テジュン)元会長のような経営者のことだ。しかし歴代政権は能力と手腕だけで経営陣を選任しなかった。ほとんどが大統領当選に寄与した人物の恩返し用の席として活用した。だから天下り人事をめぐる問題がなかった政権はひとつもなかった。選任された時点から欠陥が多ければ経営権をまともに掌握できないのは常識だ。経営陣が労組の機嫌を取ることにばかり気を遣えば公企業は強い労組に振り回されるしかない。当然公企業から生産性と効率性は消え去り、高賃金と減員無風のような「神が降りた職場」だけが残るだろう。こうした点から政府が公企業改革のスタートを経営陣の改革に求めたのはよいことだ。経営陣を促してこそ公企業もまともに立てる。それでも懸念されるのはこの政権がやはり天下り問題から自由になれないという点だ。経営陣選任の基準が能力や手腕ではなく、過去の大統領選で陣営についたかどうかなら歴代政権の前轍を踏むのは明白だ。