好転した経済指標があふれている。国内では3月の貿易黒字が過去最大の40億ドルに達するという知らせだ。こうした青信号に外為市場は急速に安定を取り戻す兆しを見せている。経済危機の震源地の米国からもうれしいニュースが伝わった。消費者期待指数と景気先行指数が相次いで上昇しているのだ。最悪の局面を過ぎたという期待感とともに、景気底打ち論が続々と広まっている。これを受けニューヨーク株式市場は先週から力強く反騰している。
一部経済指標が改善の兆しを見せているのは事実だ。しかし統計の錯視現象を考慮すれば過ぎた拡大解釈は無理だ。例えば先月から期待以上の貿易黒字が重なっている背景には為替効果が隠れている。過去1年間にドルに対するウォンの価値は50%以上下がっている。輸出が増え輸入が減るのは当然だ。さらに昨年上半期に毎月75億ドルに達していた原油輸入額が今年は37億ドル水準に急減した。原油輸入額減少分だけ考えても、毎月38億ドルの貿易収支が改善されることになる。LG電子の南鏞(ナム・ヨン)副会長は最近、「われわれはウォン安ドル高に酔っている時ではない」と警告した。傾聴すべき問題だ。