しかし政治的効果を見れば話は180度変わる。今年打ち上げられる韓国のKSLV-1ロケットは韓国の独自技術ではない。航空宇宙研の関係者は、「2段階ロケットのうち1段階推進体の液体燃料エンジンは技術力がなく、ロシアのフルニチェフと共同で開発している」と述べた。宇宙ロケットの技術はロシア・米国・フランス・日本・中国・英国・インド・イスラエルの8カ国に次いで先月に衛星を打ち上げたイランが保有している。北朝鮮が今回の打ち上げに成功すれば、韓国も持っていない宇宙ロケット技術を国際社会に証明することになる。科学技術政策研究院のイ・チュングン研究委員は、「北朝鮮が核弾頭の小型化さえ完了すれば大陸間弾道ミサイル(ICBM)保有国になることを意味する」と話す。
この場合、北朝鮮の対米交渉力が大きく高まる。すでにそうした前例がある。テポドン1号の打ち上げから2年後の2000年、当時のオルブライト米国務長官の訪朝の際、北朝鮮は長距離ミサイルの生産中断、短距離ミサイル販売中断などと引き替えに、クリントン政権から毎年3個の人工衛星打ち上げ支援、数年間にわたる一定額の現物補償などの約束を引き出した。