活路が四方を防がれ、思うままにことが進まないと感じる心理状態が閉塞(へいそく)感だ。そうした場合に求める、簡単に感情を噴出できる対象が近くにいる人だ。家族でも良く、友たちでも良い。生け贄(いけにえ)を探し出して不幸の責任を被せることで、最小限の息をすることができる。運が良ければ心弱い相手が物質的な補償で懐柔してくるかもしれない。
北朝鮮の指導部は今、集団的な閉塞感にとらわれている。北朝鮮・祖国平和統一委員会(祖平統)が1月30日に発表した「南北(韓国・北朝鮮)間の政治、軍事的な対決の解消に関するすべての合意を無効化する」という声明は、驚くべきことでも、思いがけないことでもない。北朝鮮は1月17日、すでに軍服姿のスポークスマンをテレビに出演させて、韓国との「全面対決態勢」に入ると宣言した。