2つ目、成長と分配の優先順位をめぐる論争や対立も、韓国的な特殊性を勘案した新しい融合モデルを開発して、いまや終止符を打たなければならない。 相当なレベルの成長なしには国家と国民の需要を充足させることができないだけでなく、国際競争でも脱落するしかないという点を否定する人はいない。 問題は拡大する貧富の差をどのように防ぎ、国民の福祉水準を向上させるかということだが、幸い、私たちの政治文化では一緒によい暮らしをする共同体を目指すという社会民主主義的な価値観が広く受け入れられていて、成長と分配を適切に融合する解決策を出せる余地が十分にある。 一言で、韓国は深刻な貧富の差と不公正な分配を予防し最小化しながら、先進化に成功しようという国民的な合意と妥協の雰囲気が比較的成熟した社会だ。 しかしこうした結論のためには、対立を招く理念の教条化や極端な政治勢力化の拡散を防いでこそ可能だ。
社会的および経済的次元での民主主義の実現をどのように政策化するかというのと同じぐらい重要で急がれるのは、大韓民国の集団的意思決定をどのようにするのが民主的かという問題に対する解答だ。 特に、少数集団や小数政党にある程度のvetoパワー、すなわち拒否権を与えられるかに対する国民的な合意が、憲法議論のレベルで早期に形成されなければならない。