「寿司は心でつくる」…銀座「きよ田」木村さん (2)
しかし木村さんが寿司職人として強調するのは、つくる技術よりも食材の品質だ。 木村さんは、寿司は一つの芸術、と話す。 それで画家がカンバス・筆を自分の手で選ぶように、料理人も自ら材料の準備をするのが原則だ。 木村さんは今でも東京最大水産市場の築地に毎朝足を運んで材料を選ぶ。 マグロも1キロ4万円を超える最高級しか購入しない。 魚を見ながら一日に何を握るか構想する。
「38年前に寿司を初めて習ったのが銀座の魚屋でした。 材料を見る方法から学びました。 そこで皇居の寿司をつくっているという方に会い、3年間修行しました」