天下大乱の時代に入りつつあるのであろうか。リーマン・ブラザーズの破綻は衝撃的だった。もちろん、その後アメリカ政府が、AIG を支える姿勢を示したために金融不安の更なる拡大は防げたようである。しかし、これで世界経済が安定に向かうとは思えない。アジア各国の株式市場も通貨も下落しつつある。原油価格の下落は、消費国としては歓迎すべきことであるが、急速な変化は、さまざまな余波をもたらす。また、実態としてのアジア経済は、アメリカ経済から直接打撃を受けないだけの強靱さを持つに至ったとの見方もあるが、グローバル化の進んだ世界市場のなかでは、パニックは、どこにでも伝染する。1997年のアジア金融危機、さらには1930年代の世界恐慌に匹敵するような国際金融の危機が起こる可能性すら指摘されている。