【コラム】亡命と亡霊の間=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.07.08 17:47
今回の場合はどうなのか気がかりだった。核心当局者は「金寛鎮(キム・グァンジン)安保室長も『亡命説が度々出てくるが、どうなったのか』と補佐陣に尋ねたそうだ」と耳打ちした。茫然自失だ。大統領に対北朝鮮の状況を直報告する当局者も知らないような高官の脱北・亡命は想像し難い。統一部幹部は「洪容杓(ホン・ヨンピョ)長官が対北朝鮮の干ばつ支援をカードに突破口を作ろうとしているが、とんでもない推測性の報道で混乱している」と困惑していた。政府内の対北朝鮮メッセージ管理や南北関係にも火の粉が飛んでくるという話だ。
事態が深刻なのに、関係当局は「対北朝鮮情報は確認できない」と手をふって否定している。情報委を招集して事実を糾明しなければならない国会は政争にもがいている。米国務省が「韓国政府に尋ねてみなさい」としてボールを投げたが、対北朝鮮部署は沈黙している。過去に脱北亡命の誤報で苦境に陥った時のデジャビュ(dejavu)だ。