韓経:【コラム】経常収支赤字の「悪夢」=韓国

韓経:【コラム】経常収支赤字の「悪夢」=韓国

2019年04月02日13時19分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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  1986年は韓国経済史で忘れることのできない年だ。大韓民国が国際舞台にデビューしてから初めて46億ドルの経常収支黒字を記録した。日帝強占期だった1924年と1925年に2年連続で経常黒字を出したことはあった。だが日本が朝鮮米を大量輸入した例外的時期だっただけに、1986年が持つ意味とは厳格に区別される。

  1986年ごろは「対外債務亡国論」が勢いづいていた時期で、対外債務危機の本質は経常収支赤字だった。赤字にともなう外貨資金不足を埋め合わせるため海外からの借入を増やすほかない脆弱な経済構造だったのだ。経常黒字の達成は社会全般に大きな変化をもたらした。前政権から「高度成長の後遺症」を受け継いだ全斗煥(チョン・ドゥファン)政権は自信を回復し「安定化施策」を推し進め、初めての「3低好況」へと続いた。

  知識人社会に及ぼした影響も莫大だった。「従属理論」の類の左派・進歩経済学に対する疑義が大きく広がった。「韓国のような対外従属的な国では自立的資本主義が発展できない」という植民地反封建社会論の首唱者であるソウル大学の安秉直(アン・ビョンジク)教授は経常黒字を契機に「学問的転向」を断行した。植民地反封建社会論を廃棄し、「第三世界でも自立的な資本主義成立が可能だ」という「中進資本主義理論」に乗り換えた。多くの後進学者が安教授に従い、韓国の政治経済学は初めて実証学問の容貌を取り戻した。

  経常収支に関連した最も辛い記憶を挙げるなら1990年代末の通貨危機だろう。韓国経済は1990年から再び赤字の沼に落ち、1996年には過去最大規模である238億ドルの経常赤字を記録した。翌年11月には国際通貨基金(IMF)に緊急救済金融を申請しなければならなかった。

  4月に経常収支が7年3カ月ぶりに赤字に転落すると懸念されている。輸出鈍化が急な上に、外国人投資家に対する配当金支給時期が重なるためだ。経常収支赤字は必ずしも悪いことばかりではない。昨年の経常赤字1~3位には米国(4620億ドル)、英国(914億ドル)、カナダ(556億ドル)など先進国が並ぶ。黒字があまりに大きければ物価を圧迫し経済バブルを誘発するとし「収支均衡」を最上と考える見方も多い。

  しかも韓国の外貨準備高は2月末基準で4047億ドルに達する。経常赤字が少し出たとしても対外信用度に特別な影響を及ぼさないという意味だ。それでも「あつものに懲りてなますを吹く」ように、経常赤字は言及するだけでも緊張感を高める核心指標だ。対外依存度が世界最高水準である小規模開放経済での重要性も格別だ。経常収支急減にともなう被害を軽傷で防ぐための知恵が切実だ。
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