【コラム】ナイキとアシックス、そしてプロスペックス=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.08.26 12:03
1980年代は激動の歳月だった。軍事政権に対抗して大学生の民主化運動が絶頂に達した時期だった。20代初めの大学生の血気は熱かった。そして新しい物に対する好奇心も旺盛だった。大学初年兵時代に記者はナイキのスウッシュロゴがそれほど格好良く見えなかった。アルバイトをしてお金を貯めた。スウッシュロゴが光るナイキの運動靴を手に入れた時のあの気持ちをまだ忘れることができない。ところがその運動靴を履いて学校に行きひどい目に遭うとは思わなかった。普段から親しかったある先輩は私が履いていたナイキの靴をぼんやり眺めたかと思うと、「米国帝国主義の代表的商品であるナイキを履いてきた」と面罵した。
山河が3度変わった。2019年、米国のナイキは世界最高のスポーツブランドに成長した。勝利の女神ニケの翼を形象化したというスウッシュロゴはいまではスポーツの代名詞になった。電子・IT製品を合わせても世界的に最もおなじみのロゴがまさにスウッシュだ。このロゴの市場価値だけで260億ドルを超えるという分析もある。ナイキの歴史はそれほど長くない。父親に借りた50ドルで日本製運動靴オニツカタイガーの輸入販売をしていた米国のフィリップ・ナイトが1971年に設立した会社がナイキだ。ナイトが2016年に刊行した自叙伝『シュードッグ』によると、スウッシュロゴはキャロライン・デビッドソンという無名の女性画家が2週間で急いで作った作品だ。ナイトは当初このロゴが気に入らなかったのか、デビッドソンにわずか35ドルの小切手を切ったという。