【時視各角】アナログもデジタルもだめな韓国のタクシー
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.10.10 13:05
20年ほど前、東京の韓国人駐在員の間に「伝説」のような話があった。成田空港に降りたAさんが気前よくタクシーをつかまえ「東京・新宿まで!」と叫んだという。1時間ほどの距離だからと甘く見ていたのだ。タクシー料金は高速道路通行料含め3万円。電車料金の25倍だった。
日本のタクシー料金は殺人的だ。最近基本料金を引き下げたりしたが、その後に上がる料金体系を考慮すればあまり変わらない。2キロメートル以上行くお客はむしろ高くなった。それでも乗客満足度は最高だ。東京ではタクシーに乗るたびに視覚(清潔さ)・嗅覚(良いにおい)・聴覚(警笛・携帯電話などの騒音なし)の満足を得られる。昨年死去したMKタクシー創業者の兪奉植(ユ・ボンシク、日本名・青木定雄)会長と生前に会った時に聞いた話だ。「深夜に女性客が下車すれば歩いていく路地をヘッドライトで照らします。夕立ちがあれば無料でビニール傘を差し上げます。『ありがとうございます。本日は私××がお供いたします』「OOまででよろしいですか?」「忘れ物はございませんか」「ご乗車いただきありがとうございます」の4種類のあいさつのうちひとつでも忘れればそのドライバーは現業から外して再教育させます」。東京のタクシーにはこうしたアナログ的満足感がある。