韓国空軍戦闘機が独島（トクド、日本名・竹島）領空を無断侵入したロシア軍用機に警告射撃をする危機状況が発生した。合同参謀本部によると、昨日午前、ロシアＡ－５０早期警戒機が独島領空を２度も侵入した。これに対し空軍は直ちにＦ－１５ＫとＫＦ－１６戦闘機を出撃させて警告放送に続き３６０発の警告射撃をしたという。ロシアをはじめ他国の軍用機が韓国の領空を侵犯したのは初めてだ。しかもこの日はロシア軍用機の他に中国爆撃機も動員され、合同で韓国防空識別圏（ＫＡＤＩＺ）を侵犯した。これもまた初めての出来事だ。中露の尋常でない行動は、北東アジア地域に新たな緊張をもたらす深刻な事件だ。

この日ＫＡＤＩＺに進入した中露軍用機は、ロシア早期警戒機１機およびＴｕ－９５爆撃機２機と中国Ｈ－６爆撃機２機などだ。両国の合同飛行形態は事前計画された挑発水準だった。最初に独島領空に進入したロシア早期警戒機は韓国空軍戦闘機の警告射撃を受けると一旦は退いたが、再び領空に進入した。韓国空軍の対応程度を把握しようとする狙いとみられる。中国爆撃機も離於島（イオド）を通過して北上した後、東海（トンへ、日本名・日本海）でロシア空軍機と合流して合同飛行を実施した。中国は爆撃機の飛行に合わせて軍艦を離於島南側に向かわせた。中露が韓半島（朝鮮半島）周辺で空軍および海上作戦を総合的に練習したと推定される。

外交部と国防部は駐韓ロシアおよび中国大使と武官を呼んで強く抗議した。青瓦台（チョンワデ、大統領府）の鄭義溶（チョン・ウィヨン）安保室長はロシア連邦安保会議（ＦＳＣ）のニコライ・パトルシェフ書記に「このような行為が繰り返される場合、はるかに強力な措置を取る」という抗議メッセージを伝えた。こうした中、韓日空軍機が協調的に対処したことは幸いなことだ。中露軍用機がＫＡＤＩＺを侵入した状態で韓国空軍が直接対応し、日本自衛隊戦闘機は日本防空識別圏（ＪＡＤＩＺ）に待機しながら警戒したという。

今回の事件は最近、北朝鮮核問題や中東ホルムズ海峡での米国・イラン対立状況、米中貿易戦争など複雑な国際情勢の中に発生した。中国とロシアが北東アジアで軍事力を誇示すると同時に韓日米の協力体制を試そうとする狙いがあるものとみられる。韓日葛藤と韓米同盟が弱まった隙を狙った可能性もある。新たな冷戦を予告しているのではないか懸念される。

韓国政府はこのような厳重な国際状況を冷静に見る必要がある。韓日葛藤も両国の安保協力にまで影響を与えてはいけないという点を確認した。韓日安保協力の基盤である韓米同盟の重要性も改めて考え直さなければならない。何より中国とロシアは北東アジア地域で緊張を高めるような行為を直ちに自制するべきだ。