韓国外交部が韓米首脳間電話会談の議事録を流出した当事者とされる駐米韓国大使館の公使参事官（３級）Ｋ氏（５４）を２７日、セキュリティー審査委員会に召喚した。趙世暎（チョ・セヨン）外交部第１次官はこの日、記者会見で「昨夜、康京和（カン・ギョンファ）外交部長官の主宰で緊急幹部会議を招集し、セキュリティー審査委および懲戒委員会の開催を決めた」と明らかにした。

Ｋ氏に対する懲戒の程度は３０日、懲戒委で議決される予定だ。Ｋ氏は８日、韓米首脳間電話会談の内容（３級機密）を閲覧した後、自由韓国党のカン・ヒョサン議員に知らせた疑惑がかけられている。解任、または罷免も取り上げられている。

趙次官は「機密管理に対する重大な規定違反事案で、懲戒委員会に先立ちセキュリティー審査委員会を経ることになった」とも伝えた。セキュリティー審査委は外交部内のセキュリティー事故が発生する時の内部手続きで、懲戒委に先立ちセキュリティー審査委を開いた事例は多くないという。これに先立ち、青瓦台（チョンワデ、大統領府）は懲戒以外に外交上機密漏洩（刑法第１１３条）の疑いでＫ氏を検察に告発する方針も予告した。

外交部は衝撃に陥った。Ｋ氏と勤務してきた職員は「普段落ち着いている性格なので全く予想できなかった」という反応がほとんどだ。Ｋ氏はこの日、セキュリティー審査委員会に出席して「誠実に答える」と取材陣に明らかにした。

一部では「康長官のリーダーシップが通じない」という指摘とともに責任論まで浮上している。これに先立ち、康長官は２４日（現地時間）パリで記者会見を行い「自らリーダーシップが足りなかったのではないかと考える」と言及した。「しわだらけの太極旗」んあど頻繁な儀典ミスに康長官はその間「外交業務の特性上、一寸の失敗も許されない」と警告して内部の紀綱を正すことに集中した。

前職外交官らは苦言を吐き出した。キム・スク元国連大使はこの日、ＣＢＳインタビューで「紀綱弛緩、セキュリティー意識の弱化は外交安保業務を担当する人々の致命的な失敗」と懸念した。彼はカン議員に対しては「政治家が結果論的に後輩の経歴を完全に壊した」として「政界攻防を行う場合ではない。過ったのは早く謝罪・是正していく必要がある」と話した。李明博（イ・ミョンバク）政府で外交・安保首席を務めた韓半島（朝鮮半島）未来フォーラムのチョン・ヨンウ理事長も「韓米首脳の電話会談の内容公開は国際社会で大韓民国を相手にできない国にする行為」と批判した。

一方、野党の一部ではＫ氏が政府に不利な内容を野党国会議員に流出したということから「不敬罪」レベルで重い懲戒を検討するという主張もある。これを受け、趙次官は「推測と解釈が乱舞していることを知っている」として「しかし、公務員の役目は個人的な所信に先立ち、政府の公式的な指針や手続き、立場を優先視すること」と一蹴した。

現職外交官によって外交機密が流出した事例は２００６年にもあった。在韓米軍の「戦略的柔軟性」に関連した青瓦台国家安全保障会議（ＮＳＣ）の会議録（３級機密）が与党だった開かれたウリ党のチェ・ジェチョン議員を通じて公開された。当時、流出者とされた青瓦台派遣外交通商部のイ・ジョンホン上級行政官（現、韓日中３国協力事務局総長）は停職３カ月の処分を受けて復職した。

一方、ソウル中央地検は２７日、共に民主党が２４日にカン・ヒョサン議員を外交上機密漏洩疑いで告発した事件を公安第１部（ヤン・チュンジン部長検事）に配当したと明らかにした。刑法は外交上機密を漏洩した人だけでなく、漏洩する目的で外交上機密を探知、または収集した人も５年以下の懲役または１０００万ウォン（約９２万円）以下の罰金刑に処するように定めている。