妹が先に乗った…金正恩委員長の「南朝鮮体験」筆頭候補はKTX(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.12.05 13:55
雰囲気が尋常でない。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長のソウル答礼訪問に関する文在寅(ムン・ジェイン)大統領の言葉が前例なく具体的だ。「可能性は開かれている」と言葉を控えながらも、警護・儀典のための交通統制に国民が協力すべきという注文を出している。秒読み段階に入ったという話も出ている。南北関係と北朝鮮非核化は小康状態だが、答礼訪問に対する文在寅政権の集中力は高まっているようだ。ソウル訪問イベントが韓半島(朝鮮半島)情勢に追い風をもたらす期待だ。しかし難しい状況はあちこちに存在する。金正恩委員長が約束した年内ソウル答礼訪問のためにまず解決すべき課題を点検した。
今年9月の平壌(ピョンヤン)共同宣言には、金正恩委員長のソウル答礼訪問の約束が盛り込まれた。最後の第6項に「金正恩委員長は文在寅大統領の招請で早期にソウルを訪問することにした」という部分だ。文大統領は宣言発表当時、「早期とは特別な事情がなければ『年内』という意味を込めている」と説明した。現在のところソウル訪問を延期したり取り消したりする「特別な事情」は探しにくい。南北共同で北朝鮮鉄道などに対する実態調査が進行中であり、非武装地帯の監視哨所(GP)撤収、道路の連結など軍事緊張緩和措置も次々と続く。米朝高官級会談が延期され、米国の対北朝鮮制裁持続意志が再確認される局面だが、雰囲気が変わるほどではないということだ。
首脳間の会談に関しては論理的推論や予測が容易でない。最高指導者の意志による部分が大きいからだ。絶対権力を握った北朝鮮は場合はなおさらそうだ。文在寅大統領が「年内に答礼訪問をするかどうかは金委員長の決断にかかっている」(1日のG20首脳会議期間中の懇談会)と述べたのもこのためだ。平壌首脳会談を現場で眺めた韓国側の民間特別随行員らは、金正恩委員長の意中が表れているいくつかの発言内容を伝えた。放送カメラでは撮影されていない非公開発言だ。ソウル答礼訪問を共同宣言に明記したことに関し、金正恩委員長は「文大統領があまりにも言うので行くと言ったが、我々はすべて反対」と切り出した後、結局は「行く」と話したという。労働党と軍部の幹部が金正恩委員長のソウル行きに反対している中でも訪問を決めたということだ。