韓国研究チーム、世界初「海水電池」開発…54兆ウォンESS市場狙う
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.02.01 11:29
仁川(インチョン)近海10キロメートルの海上。西海(ソヘ)特有の濁った海水の上に鮮明な赤い電球の明かりが見える。明かりの正体は航路標識用などの浮標だ。浮標は船舶が安全に航海することができるように航路を指示したり暗礁・沈没船など海上の危険を知らせたりする海の上の「信号」だ。そのため夜間も休むことなく光を出さなければならない。この日「西海の明かり」は電源船もない状態で終始信号を送っていた。
電気とは相剋と知られる海水でこのように明かりをつける電力供給源は何なのか。31日に訪れた蔚山(ウルサン)科学技術院(UNIST)の研究室でその答えを求めることができた。実験室には浮標だけでなく、入水したら即時に点灯して遭難者の生存の可能性を高めるライフジャケット、海上で養殖場の位置を明かりで知らせるブイ(Bouy)などが作動していた。これらの電力源はまさしく海水を使う「海水電池」だ。UNIST研究陣が世界で初めて開発し、商用化を試みている新素材バッテリーだ。
海水電池がニ次電池の主流であるリチウムイオン・バッテリーに代わることのできる新動力源として注目されている。海水電池は海上で電力を使う製品から大規模電気を生産・保存する発電所までデモンストレーション・テストを完了し、商用化のために動いているところだ。UNISTエネルギーおよび化学工学部のキム・ヨンシク教授がその中心人物だ。キム教授は韓国電力・韓国東西発電と共に2017年から3年間事業費50億ウォン(約4億8700万円)を投じ、海水電池をエネルギー保存システム(ESS)で使うための「海水電池商用化研究」を共同進行している。最近では全国的に連続して火災が発生したリチウムイオン基盤ESSに代えられるという期待も高まっている。