【社説】核リストの提出なしで北朝鮮非核化の真正性をどう確認するのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.10.05 11:29
韓国の康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が「米国は北朝鮮に核兵器保有リストの提出の要求を保留(hold off)しなければならない」と述べた。米ワシントン・ポスト(WP)とのインタビューでの発言だ。「2008年2・13合意が水泡に帰したように、検証を要する核リストの要求は、交渉を座礁させる危険がある」というのが康長官の説明だ。核申告を保留し、「終戦宣言-寧辺(ヨンビョン)核施設廃棄」の案を先に行おうとの提案だ。きわめて懸念すべき発言だ。
北朝鮮の核兵器と核施設・生産物質に対するリストの提出、すなわち「申告」は北朝鮮の核能力を把握する非核化の核心的な最初段階の処置だ。北朝鮮の真正性もここで判断できる。これが行われた後、完全な非核化に向けたタイムテーブルが考えられれる。我々が前回の北朝鮮の「条件付き寧辺核施設廃棄」等を盛り込んだ平壌(ピョンヤン)宣言に対して、一歩進んだ合意だと評価しながらも、北朝鮮の核申告と検証ロードマップが含まれておらず、惜しいという点をあえて指摘したのも、このような理由からだ。それ以後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が米トランプ大統領と面会し、「それ以上の」の内容を言及できるとの期待もあったたが、状況はかえって後ずさりしている雰囲気だ。終戦宣言と制裁緩和を通じて、北朝鮮の外交・経済的位置づけが強化された状態で、後回しになった核申告と検証問題を扱おうとしても成功するとの保障がない。かえって交渉を進める動力がなくなり、北朝鮮の声だけ大きくなる。「核保有+無制裁」の北朝鮮と韓国が同居する状況に直面する可能性もあるとの話だ。