【コラム】文大統領の「包容」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.05.23 10:35
与党内から「みにくいアヒルの子」扱いを受けてきた李在明(イ・ジェミョン)京畿(キョンギ)知事が国務会議に参加することになった。ソウル市長の他に広域自治団体長が非定期的ながら国務会議に参加する道が開かれたのは初めてだ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)関係者は22日、「李知事が先月、国務会議に参加したいという考えを伝えてきて検討した末、今後国務会議で京畿道の関連事案が扱われる場合、参加できるようにした」と話した。「いつから適用されるか」という質問にこの関係者は「すぐに」としながら「数日前、李知事と会って『国務会議への定期参加はできないが、事案別に参加できるようにする』と話した」と答えた。
意味ある決定だ。京畿道(1350万人)はソウル(980万人)より人口が多い全国最大の地方自治体だ。京畿知事はソウル市長と違って長官級ではないため国務会議に参加することができなかったが、規模を考慮すれば参加資格は充分にある。そうした点で青瓦台の決定は合理的だ。さらに注目するべきことは、文在寅(ムン・ジェイン)青瓦台が「包容」精神を発揮したという点だ。
李在明はよく知られているように親文勢力から極度のヴィートー(拒否)を受けてきた政治家だ。2年前の大統領選挙戦で文候補と血闘を繰り広げたという理由で親文支持層は李在明を嫌い始めた。昨年地方選挙では京畿知事民主党候補の席をめぐり、李在明が親文の全海澈(チョン・ヘチョル)と戦った末に勝利して親文勢力の感情はさらに悪化した。弱り目にたたり目で、李在明が職権乱用と選挙法違反容疑で裁判を受ける境遇に陥ると、共に民主党は「李在明を追い出せ」という親文勢力の圧迫に出党・除名を検討したほどだった。16日、李在明が1審で無罪宣告を受けると、民主党が「判決を尊重する」という蚊の鳴くような声の水準の「歓迎」論評を出したことも、親文勢力の顔色をうかがった結果ではないかと思う。