【コラム】ビッグディールなく今後の米朝交渉は不可能だ=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.04.22 13:52
米朝首脳会談決裂後の韓米首脳会談と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の施政演説を通じて、米国と北朝鮮の立場に全く変化がないことが明らかになった。トランプ大統領は北朝鮮が非核化に対する一括妥結式ビッグディールを受け入れるべきだと一貫して主張している。金正恩委員長は米国の考えが変わらないかぎり交渉にこだわらないと公開的に宣言した。ハノイ会談の決裂状況がそのまま続いている。
ところが文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3回目の米朝首脳会談を実現させるとし、南北首脳会談を公式的に提案した。見えるものをそのまま見るのではなく、見たいものだけを見ている。苦労して会ったトランプ大統領とはわずか2分間だけの単独会談となった。すでにトランプ大統領は文大統領の面前で、記者会見形式でハノイ会談後も立場に変化がないことを表した。文大統領の仲裁案はトランプ大統領には「グッド・イナフ・ディール」(十分に満足できる取引)ではなかった。
金正恩委員長もハノイでの米国の要求を「先に武装解除、後に体制転覆」と規定し、受け入れられないと明らかにした。それも「新年の辞」のように北朝鮮住民が暗唱すべき施政演説という方式を通じて不退転の意志を宣言した。文大統領の仲裁者の役割を「差し出がましい」と蔑むことも忘れなかった。トランプ大統領、金正恩委員長ともに相手の屈服だけを要求している状況だが、文大統領は希望と期待ばかり話している。平行線をたどる米朝の立場にわざと気づかないふりをしているのでなければ、深刻な難聴または読解力不足としか解釈できない。