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【時視各角】慰安婦合意は破棄するべきか

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.08.23 08:02
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国民の感情に反する政治的な判断は呪われて当然なのか。日本大衆文化開放の議論があった1996年、世論は冷ややかだった。ある世論調査の結果、賛成は25.5%だった半面、反対は倍以上の52.5%だった。「日本の低質文化が押し寄せる」というのが主な懸念だった。にもかかわらず1998年に政府は門戸開放を断行した。金大中(キム・デジュン)大統領時代のことだ。

結果はどうなったのか。韓流が日本列島に広がったが、漫画を除いた日本の大衆文化はこの地に足を踏み入れることもできなかった。

 
最近、2年前の韓日慰安婦合意が乙巳勒約((第2次韓日協約)並みの反民族行為だとして罵倒される雰囲気だ。破棄運動が広がり、60%前後だった再交渉賛成世論は85%まで高まった。本人の意思も尋ねず合意したのは明白な誤りだ。21日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が韓日議員連盟代表団に会った席でもこの問題が取り上げられた。しかし被害者の多数が合意内容に反対しているかのように導くのも間違っている。文大統領は6月、ワシントンポスト(WP)のインタビューで「慰安婦合意は韓国国民が情緒的に受け入れられず、特に被害者が拒否する」と述べた。

果たしてそうだろうか。合意履行のために設置された和解・治癒財団というものがある。あまり知られていないが、これまで接触した被害者47人のうち36人が慰労金1億ウォン(約1000万円)を受け取ったり受けることを決めたというのが財団側の説明だ。また1人あたり平均4回ずつ受け入れ意思を確認し、強要・懐柔によるものでないことを証明するために録画することもあったという。韓国挺身隊問題対策協議会(挺身隊対策協)側は「正確な合意内容を正確に知らせることもなく資金を受け取るようにするのは不当な措置」と指摘する。しかし多数の被害者が合意を拒否しているとは言えない。

過去の政権の作品であっても外交的な合意を覆そうとするのは大きな問題だ。後に新しい妥協案を引き出す時、「今回は破棄しないとどうやって信じればよいのか」と尋ねてくればどうするのか。

合意があった2015年末には「韓日関係の改善が急がれる」というのが世論の大勢だった。当時、韓日関係について韓国人の67.2%、日本人の67.8%が「望ましくなく、改善されるべき」と答えた。さらに平均90歳の被害者が少しでも補償を受けるには一日も早く解決策が出てくるべきだという緊急性も合意を催促した。

迅速な韓日関係改善および被害者補償、そして国民100%が満足する日本側の謝罪および措置という2つの選択肢のうち前者を選んだからといって非難できるかは疑問だ。

20世紀最高の法学者ハンス・ケルゼンはこのように指摘した。「2つの価値が衝突する時、どちらがより重要かは、合理的な認識で決めることはできない」と。相反する価値が存在する時は何が正義かは誰も断言できないということだ。

慰安婦合意に胎生的な欠陥があるのは事実だ。それでも完全になかったことにするかは別の話だ。韓日関係の専門家らは「今の雰囲気ではより良い解決策を引き出すのは不可能」と口をそろえる。

もちろん再交渉の声が高まるのは安倍政権の責任も大きい。安倍晋三首相から謝罪の誠意が感じられない。昨年10月、日本の国会で慰安婦被害者に謝罪の手紙を送る考えがあるのかという質問が出ると、「毛頭ない」と答えたのが端的な例だ。このため従来の合意を土台に首相の謝罪手紙の伝達など補完策を添えるのが望ましい。北朝鮮と核ミサイル問題で対立する状況で非常時支援基地になる日本と協力するどころか戦線を形成するほど非理性的なこともない。

ナム・ジョンホ/論説委員

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