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締まりのない韓国政府の対北制裁の手綱…隙間に食い込んだ日本(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.07.12 15:23
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◆「制裁履行」攻防に変質

このような隙間に日本は絶妙に食い込んだ。韓日が歴史問題をめぐって経済・外交的摩擦を起こす過程で制裁カードを核心の争点の一つとして切ったのだ。当初、日帝強占期の強制徴用に対する判決など韓日間の外交葛藤から始まった事案を「韓国政府の北朝鮮に対する制裁履行」攻防に変質させたのだ。

 
現在としては日本の主張そのものが根拠のない宣伝戦にすぎないと明らかになっている。青瓦台と政府・与党だけでなく一部の野党まで日本の虚偽主張を責めている様相だ。国会国防委員会所属の河泰慶(ハ・テギョン)議員(正しい未来党)が昨日、日本の非政府機関である安全保障貿易情報センター(CISTEC)の資料に基づいて「日本が核開発に使われかねない戦略物資を北朝鮮に密輸出した事実が数十回」と指摘したのもその一つだ。韓国政府の管理・監督不良に戦略物資が北朝鮮に流れていったと日本側が主張したが、むしろ日本が密輸出をしたということを日本側の資料で明らかにしたのだ。韓国に対する輸出規制が正当だという主張を張ろうとした日本が強引な動きに出たということだ。

だが、このような「ファクト」反撃だけで日本の波状攻勢を防ぐのは容易ではなさそうだ。日本当局と一部の報道機関は「韓国企業が戦略物資156件を密輸出した」などの資料を巧妙に付け加えて国際舞台を対象にした宣伝攻勢を強化している。独島(トクド、日本名・竹島)や歴史問題に関連し、老練な外交術を発揮して韓国に少なくない傷を負わせてきた日本だ。

高い緊張感を持って戦略的対応に取り組むべき状況だが、韓国政府の対応は信じられない。産業通商資源部は敏感物資の不正流出を防ぐことができず、論争を自ら招来しておきながらも「摘発件数が多いということは管理をうまくしているということ」という安易な主張を出している。3年間にわたって韓日戦略物資会議が開かれないでいて、「日本側局長が空席だったため」と言い逃れていたがうそだったことが分かった。日本の立場だけをさらに強くする格好となった。

注目しなければならない点は国際社会が文在寅政府の制裁履行姿勢に疑念の視線を送ってきたという点だ。非核化交渉の過程でテコ役を果たすべき制裁を無力化させる主張を文大統領や政府高位当局者、親与指向の政治家および専門家グループ関係者が繰り返してきたことに伴うものだ。事業者の苦しい心情を慰める次元を超え、開城工業団地や金剛山観光に対して中途半端な制裁解除主張をする韓国内の雰囲気は、文在寅政府の北朝鮮接近に対する懸念を大きくしている。実際、制裁の隙間を露出する状況も起きている。昨年は韓国企業が制裁品目である北朝鮮産石炭と銑鉄を大規模に密搬入していた事実が明るみになり問題となった。

◆国際社会も疑いの眼差し

文在寅政府の制裁履行の意志に国際社会が疑いの眼差しを送るのは、金大中(キム・デジュン)政府時代の秘密送金のトラウマということができる。2000年6月、初の南北首脳会談を控え、北朝鮮に4億5000万ドルを秘密裏に送った事件は、韓国国民だけでなく西側諸国に大きな衝撃を与えた。金正日との会談を対価にした天文学的な現金提供というとことだけでなく、北朝鮮情報機関である国家情報院とその責任者が出て不法両替所役を果たしていたという点で国民から批判が噴出した。米議会調査局(CRS)が報告書を通じて疑惑を提起すると、青瓦台と政府が積極的にうその説明をして事態を悪化させた。結局、盧武鉉政府が北への送金特検を行うほかはない状況になし、林東源(イム・ドンウォン)元国家情報院長ら4人が大法院での有罪が確定した。金を受け取った事実を言い逃れて「ねつ造劇」と主張していた北朝鮮も、その時初めてそっと尻尾を下ろした。

日本の攻勢はこのように北朝鮮関係で累積した韓国政府の以前の非に執拗に食い込んでいる。制裁に対してもっと粘り強く緻密に対応していたら、日本に甘く見られなかった部分だ。文在寅政府の北朝鮮に対する接近哲学と方式をめぐり、日米など国際社会は金大中・盧武鉉政府の継承だと認識する雰囲気があるのは事実だ。安倍政権はこのような部分を見逃さず、虚偽と偽情報を「ファクト」と適度に配合して国際社会に信じ込ませようと全力投球している。トランプの米国は沈黙し、金正恩の北朝鮮は韓日間の反目と乖離を楽しんでいる。


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