【社説】青年の心を打ち砕いた公共機関の採用不正=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.02.21 08:45
韓国政府が昨日発表した1205カ所の公共機関採用不正全数調査の結果は、衝撃を与えて怒りを招くのに十分だった。182件の就職不正が新たに確認され、不当請託・不当指示・親戚特恵など不正容疑が濃厚な36件の捜査を依頼し、採用過程上の重大過失や錯誤があった146件は懲戒・問責要求する予定という。今回の全数調査は、昨年秋の国会国政監査で暴露された「ソウル交通公社親戚採用不正疑惑」をきっかけに関係部処が3カ月間にわたり合同で実施した。2017年10月の政府特別点検以降に実施した新規採用と正規職転換が調査の対象だった。
よくある採用不正類型がほとんど網羅された。公共機関の上職の子どもや親戚は新規採用試験もなく契約職として採用された後、結局、正規職になった。役職員の子どもの場合、書類審査と筆記試験で低い順位でも面接で高い点数を与えて合格させたりした。いわゆる「雇用世襲」だ。特に満29歳以下の青年層には10%の加算点を与える規定まで破って合格者の順位を入れ替えた。就職に苦しむ多くの青年に極度の喪失感を抱かせる。確認された採用不正を見ると、公正性が生命である採用管理手続きにも多くの穴があり、公共機関の公共性を失っている。民間企業よりひどいという非難を受けても返す言葉がないだろう。
調査の結果が発表された後、関連記事には怒りの声が次々と書き込まれた。「機会の均等という憲法の精神を踏みにじる重大な犯罪行為」「これこそが積弊だ」という反応が出てきた。「今回の調査で済ませようとしてはいけない」「不正役職員の辞表を受けるべき」と要求するコメントも多い。公正を強調する文在寅(ムン・ジェイン)政権に入って2年ほど経過したが、採用不正が頻発していることについて「口だけの公正か」という厳しい叱責もあった。政府はこうした批判の声を軽く聞き流してはいけない。