俳優のチョ・ミンギさんが寂しく永眠した。享年５３歳。

チョ・ミンギさんの出棺式は１２日午前６時ごろ、ソウル建国（コングク）大学病院斎場で執り行われた。当初６時３０分に予定されていた出棺式は３０分操り上げて始まった。出棺式に先立ち開かれた告別式は遺族の意向に沿って非公開で行われた。

故人の息子が位牌を持ち、妻のキム・ソンジンさんは大声で嗚咽した。出棺式は通常よりも早く進められ、１０分ごろに霊柩車は斎場を離れてソウル追慕公園に向かった。

チョ・ミンギさんは９日午後４時５分ごろ、ソウル広津区九宜洞（クァンジング・クイドン）の大型住宅商店複合建物地下１階倉庫で亡くなっているところを見つかった。夫人のキムさんが発見して救急車を要請したが、故人は近くの病院に到着したときにはすでに亡くなっていた。亡くなった場所から遺書が見つかり、他殺の跡がない点を考慮して解剖検査は行われなかった。

４日葬で行われたが、生前親交のあった著名な知人は周囲の目が気にしてか斎場には姿を見せなかった。遺族の知人の一部だけがひっそりと訪問した。焼香所の入口にも数基の花輪が質素に置かれていただけだった。

最近、チョ・ミンギさんは強制わいせつの加害者として、＃ＭｅＴｏｏ（ハッシュタグミートゥー）運動の一事例として世間を騒がせていた。先月２０日、清州（チョンジュ）大学校演劇学科副教授として在職中だった彼が、数年間にわたって女子学生に強制わいせつ行為を行っていた疑惑が昨年１１月末に浮上し、これによって教授職を剥奪されたという投稿文がオンラインコミュニティに掲載された。これが一歩遅れて記事化されて世間に広まり、最初チョ・ミンギさんは所属事務所を通じて「強制わいせつ関連の内容は明らかなデマ」と主張した。

しかしすぐに別の暴露が登場した。ＪＴＢＣの時事番組『ニュースルーム』に出演したある学生は「酒を飲んで私に個人的に夜中に連絡をしてきて部屋に来いと言った」と明らかにした。これについてチョ・ミンギさんは「『心で演じろ』と励ますつもりで手でポンとたたいたことを、胸を触ったと言った教え子がいた。カラオケが終わった後、『みんな、頑張ったな』と言って抱擁した。私としては激励のつもりだった」と対応した。

続いて実名を明らかにした暴露が登場した。新人女優のソンさんが自身のＳＮＳを通じて具体的な強制わいせつ被害事実を明らかにした。チョ・ミンギさんは立場を一変させて「良くないことで多くの方々に不快な思いをさせてしまった点についてお詫び申し上げる」とし、警察の事情聴取に臨むと明らかにした。出演予定だったドラマからも降板した。

その後、先月２８日、清州（チョンジュ）大学から公式に免職処分が下された。事情聴取のために警察に携帯電話を押収され、１２日には警察に出頭して取り調べを受ける予定だった。取り調べを３日後に控えていたチョ・ミンギさんは遺体で見つかった。