米中貿易紛争の余波で釜山（プサン）港では積み替え物流量の増加傾向が弱まり、７月にはついに減少に転じた。２９カ月ぶりの減少だ。

釜山港ターミナル運営会社の集計によると、７月に新港と北港の９カ所のターミナルで処理したコンテナは２０フィート基準で１８６万４０００個と、前年同月（１８１万４０００個）比２．７％増だった。うち韓国の輸出入貨物（８９万５９００個）は前年同月比６．４％増えたが、積み替え貨物（９６万８３００個）は０．５％減少した。積み替え貨物は釜山港で別の船に積み替えて第３国に向かう他国の貨物をいう。

釜山港積み替え貨物量は２０１７年３月から増加傾向が続いてきた。昨年下半期には月単位の増加率が２けたとなり、今年も４月まで月平均増加率は７．１％だった。

しかし５月の月平均増加率が１．９％と急激に低下し、、６月には０．４％とほぼ横ばいとなった。７月には結局、減少に転じた。

米中両国が相手国の輸出品に高率の報復関税を賦課したことで貿易量が減少したのが直接的な要因と分析される。釜山港の積み替え貨物のうち米国と中国が占める割合は５０％にのぼる。米国が９月から中国輸出品に追加で関税を賦課することにし、釜山港を経由する積み替え貨物はさらに減少する可能性が高い。

積み替え貨物の減少に韓日経済戦争の影響まで加わり、釜山港を経由する輸出入貨物にも赤信号がついている。

韓国の輸出入貨物は予想外の増加率となっているが、韓日経済戦争が変数として浮上した。釜山港湾公社は今年の物流量目標を設定する際、韓国の輸出入貨物は横ばいと予想したが、２月（－２．５％）を除いた残り月には平均５％ほどの増加率となった。

しかし日本の輸出規制で韓国企業の中間財輸入が減り、韓国の正面対抗で対日本輸出も減少すれば、釜山港の物流量は減少する見込みだ。韓日間の輸出入貨物が釜山港で占める比率は約１５％。

悪材料が重なり、釜山港湾公社の今年の物流量目標達成が難しいと予想される。港湾公社は今年の輸出入貨物を前年比０．３％減、積み替え貨物を同比８％増と予想して２２５０万個を目標にした。

昨年の実績２１６６万７０００個と比較すると、月平均３．９％以上の増加率を維持してこそ達成する。

今年１－７月の釜山港の全体物流量は１２６４万３０００個と、前年同期（１２１７万７０００個）比３．８％増となっている。今までは目標水準を維持しているが、積み替え貨物がさらに減り、韓日経済戦争で輸出入貨物量まで減少すれば、今年の物流量目標の達成は厳しいとみられる。物流量が減れば運送会社、ターミナル運営会社、船舶サービス会社などの収益が減少し、地域経済に及ぼす打撃が大きいと懸念される。