「偽物瓦」で“拙速”復旧…韓国・慶州の韓屋村の品格下げる

「偽物瓦」で“拙速”復旧…韓国・慶州の韓屋村の品格下げる

2016年11月09日10時37分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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慶尚北道慶州市皇南洞の韓屋村にあるトタン瓦屋根。トタンを瓦の形に加工してある。
  今月7日午後、慶尚北道慶州市皇南洞(キョンサンブクド・キョンジュシ・ファンナムドン)の韓屋村(ハノクマウル)。落ち着いた土色が風格を漂わせる古い瓦屋根の家々の間からきらきら光る黒の瓦屋根の家が見えた。

  近づいてみると鉄板を亜鉛でめっき処理したトタンで加工した瓦だった。いわゆる「トタン瓦屋根」だ。軒先の下にある壁面も土の代わりにトタンを黄色く塗って作った。さらに、軒下にある垂木もトタンを丸く巻いて木の形にした後、茶色く塗装してあった。「偽の瓦屋根」と言ってもいいかもしれない。都市の韓国食堂でも目にするようなトタン瓦屋根が千年古都・慶州の韓屋村に登場したのだ。

  慶州市皇南洞や沙正洞(サジョンドン)・仁旺洞(インワンドン)など新羅歴史文化美観地区だけでもトタン瓦の韓国式家屋(韓屋)が60軒以上確認された。最近、トタン瓦を乗せた皇南洞住民自治センター付近にある韓屋所有主は「前回の地震で瓦が破損し、台風が来て家が雨漏りした」とし「地震がまた出るかもしれないと思い、いっそのこと伝統瓦を取り払って半永久的なトタン瓦を設置した」と話した。また「一軒につき約100万ウォン(約9万2000円)の地震被害復旧費で伝統瓦を乗せようという気にならなかった」と付け加えた。この日、皇南洞で会った屋根工事業者は「83平方メートル(約25坪)の屋根の瓦施工費が伝統瓦の場合2800万ウォンほどになるがトタン瓦は700万ウォンほどしかかからない」と話した。

  文化財庁文化財トルボム支援センターのチン・ビョンギル理事長は「トタン瓦が韓屋村に登場し、千年古都の美を傷つけている」と心配した。

  8日、慶州市によると、ことし9月12日の地震で皇南・月城(ウォルソン)・皇吾洞(ファンオドン)の韓屋およそ3500軒中1052軒が被害に遭った。ほとんどが瓦の破損だった。地震発生から2カ月近く経った現在、60%である約630軒が復旧作業を終えた。

  韓国政府は特別災難地区の慶州に47億ウォンを支援した。支援金は被害状況によって細分化されている。「全破」は900万ウォン、「半破」は450万ウォン、「小破」は100万ウォンだ。瓦破損のほとんどは小破に該当した。小破は本来規定にないものだったが、慰労金の意味合いで支給された。このため安価なトタン瓦が登場したのだ。

  問題は歴史文化美観地区や建物の高さが制限されている地域の韓屋はトタン瓦を乗せた場合、都市計画条例により違法建築物になる。慶州市はこれを知りながらも処罰できない境遇だ。慶州市のキム・ジョンスン建築第1係長は「経済的に難しいと明らかに知りながら、行政機関だからと言ってどのように制裁できるというのか」とその苦しい心中を打ち明けた。

  慶州で伝統瓦を作って屋根施工をしている「慶州老堂瓦」のチョン・ムンギル会長(74)は「韓屋村に伝統瓦を施工するよう定める規定はあるものの、慶州市が修理費を支援する余力がないため胸が痛い」と話した。チョン会長は伝統瓦の長所も強調した。チョン会長は「伝統瓦は土をこねて作るので夏は涼しく冬は暖かい。トタン瓦は夏は暑く、雨が降ると雨が瓦を打ち付ける音がする」といった。チョン会長は「今回、伝統瓦の屋根の棟が地震がまた起きてもずれないように銅の針金で頑丈に縛った」とし「政府の財政事情は良くないが、千年古都に投資するという覚悟で伝統瓦を守ってほしい」と付け加えた。
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