【時論】なぜ韓国には浅薄で権威的な公共建築物ばかりあるのか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.11.22 13:16
フランスの公共建築部署協議体(MIQ CP)は公共建築の事業妥当性検討、懸賞公募指針書作成、公募進行を専従する。英国は首相直属組織のCABEが公共建築の事業企画と設計者選定過程を支援する。米国とフィンランドも公共建築造成過程を専従する国家機関がある。蓄積された経験とノウハウを通じて最高のデザインを得る最適なデザインガイドラインを提供する。韓国も2013年に建築サービス産業振興法制定と2014年の国家公共建築支援センター設立により法的・制度的装置は備えたが未熟な水準だ。
依然として多くの機関は必要な仕様を忠実に提示する代わりに審査主導権を行使して希望する設計を得ようと考える。官が主人役をするからと公共建築が低級になるというわけではない。ラ・デファンス、オルセー美術館など大型建築プロジェクトでフランスの1980年代文化復興を率いたミッテラン大統領、2つに絞られた設計案のうち最終選択は彼の仕事だった。ルーブルをぶち壊すと非難されたガラスのピラミッドを選んだのも彼だった。その結果パリは必ず行かなければならない現代建築物が多い世界的都市になった。ミッテラン大統領ほど芸術的見識に自信があるならば立ち上がって責任を負うか、そうでなければ干渉してはならない。
ところが韓国は今回のように半分ずつ混ぜて審査する。見かけで公正性は備えたかも知れないが毎回無難な設計案が選ばれる。これを知る応募者も良い設計案よりは選ばれる折衷案を作って発注元の隠れた意図が何かを探ることになる。斬新な若い建築家より情報力が優れた大型設計組織が有利なのもこのためだ。2015年基準で公共建築契約件数は全建築物の25.5%の1万2630件で、金額では15.6%の16兆4000億ウォンだ。このように量は多いのにこれといった公共建築物ひとつもない理由だ。