韓国にはなくフィンランドにあるもの…文大統領は見たのか

韓国にはなくフィンランドにあるもの…文大統領は見たのか

2019年06月13日08時33分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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文在寅大統領が11日にフィンランドのヘルシンキで開かれた「2019韓国・フィンランド・スタートアップサミット」であいさつをしている(写真=青瓦台写真記者団)
  #2017年6月。フィンランドのアールト大学で誕生したスタートアップ「キャッチボックス」の創業者と会った。事業に失敗すればどうするのか尋ねた。「他の事業をまたやればいいです」という答が返ってきた。彼は「フィンランドでは子どもの教育や老後を心配しなくても良いのでどんな事業でもできる」と付け加えた。

  #スタートアップと投資家をマッチングする事業をするスタートアップ「マリア01」を訪れた。古い病院を改造して建てたオフィスの前庭ではビールパーティーの真っ最中だった。にぎやかにビールを飲む人たちはスタートアップ創業者と投資家だった。韓国では「発表時間5分」を守らなければならないデモデー(創業者が投資家を求める行事)がここでは「食べて飲む」行事だった。

  #フィンランド技術庁(Tekes)はスタートアップ支援を担当する官庁だ。ここで働くユーカ・ハイリネン理事は代表スタートアップ数カ所を紹介した。都心部のごみ箱に捨てられたごみの量測定情報を清掃作業員に伝送する企業、ゲームセンターのゲームをするようにギターを学べるよう曲進行に沿って流れるスマート楽譜を開発した企業などだ。ユーカ理事の表情には息子や娘を自慢するように満足さがあふれていた。

  2年前にフィンランドのスタートアップ現場で見た風景だ。板橋(パンギョ)では見るのが難しいほど「特別な」企業があるのではなかった。違いは彼らがスタートアップ生態系を作り出す構造だった。韓国では事業開始段階から失敗した場合を心配する創業者とそんな創業者をオーディションの舞台に立たせて品評会をするような投資家をしばしば見る。政策資金支援後に創業者にパワハラやモラハラをする官僚もいる。だがフィンランドの空気は創業者を自由にさせるようだった。

  人口556万人で大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンブクド)水準であるフィンランドでスタートアップが成功する理由は何だろうか。フィンランドの創業者は「人口が少ないため創業段階から世界市場を狙う」と話した。フィンランドにはまた厚いセーフティネットがある。サムスンSDSで人工知能開発をしたイ・チフン元常務は「フィンランド出身の開発者は子どもの教育の心配がないという理由からアップルで働きながらもたびたびスタートアップを創業しに故国に復帰する」と話す。

  政府のスタートアップ支援も体系的だ。対象者の選別は市場専門家に任せて厳しく検証し、財政支援後は政府は経営に一切干渉しない。フィンランドでは当然のこうしたシステムが韓国にはない。韓国ではデリバリ-やタクシーなど「内需用」のスタートアップが多いため利害当事者らとやり合う。創業して失敗すれば家族までばらばらになったりもする。政府も「3+1プラットフォーム経済」「4大新産業」のような命名の下で革新分野を公務員マインドで決める。財政支援はおろそかなのに一度受けたらわずか3人で創業した企業に「雇用創出成果」まで要求する。

  文在寅(ムン・ジェイン)大統領も最近フィンランドのスタートアップ現場を訪問した。彼は何を感じたのだろうか。文大統領はアールト大学関係者に「革新はどのように既得権を乗り越えたのか」という質問を投げかけた。もちろんスタートアップにとって市場内の既得権は障害要素だ。しかし政府がすべきことは別にある。利害当事者間の対立調整、セーフティネットの用意、スタートアップの海外進出を支援するための「セールス外交」などだ。心配なのは、やるべきことはしないで、「スタートアップ活力向上総合対策」のようなもの展開して政府が「選手」として走ることを繰り返さないだろうかという点だ。
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