日本の大学の引き出しで眠る北朝鮮文化財…返還問題が近いうちに浮上(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.11.21 13:54
では、北朝鮮側の地域から日本に渡った文化財は今どこにあるのだろうか。栗里寺址の石塔のように把握されているものもあるが、ほとんどはその所在が確実でない。ある専門家は「多くの遺物が日本強占期の発掘事業に参加した東京大建築学科の事務室や京都大の博物館の引き出しなどの中に眠っているだろう」と話した。したがって「北側地域で出土した文化財が何点あり、現在どこに保管されているかは正確に把握されていない」というのがこの専門家の説明だ。これに関し国民大日本学研究所のリュ・ミナ研究員は「日朝間の交渉で北側出土文化財に関する問題が出てきても、日本の大学は『自立権』を前に出して所蔵遺物を返還しないと予想される」と述べた。
流出した文化財の返還を望む場合、何がどこにあるかなどの究明は当然、要求する側がしなければいけない。相手が快く対象品目の数量や位置を明らかにすることは期待できない。日本にある北朝鮮出土文化財も同じだ。北朝鮮側が具体的なリストを出してこそ数点でも戻ってくる可能性が高まる。
韓国政府は北朝鮮出土文化財であっても可能な限り元の位置に戻すべきという立場を見せてきた。日本からソウルを経て2006年に北朝鮮に返還された北関大捷碑がその事例だ。この碑石は壬辰倭乱(文禄の役)当時に咸鏡北道の北評事だった鄭文孚文将軍が義兵を率いて倭軍を撃退した事件を称えるために粛宗の時に設置された。もともと咸鏡北道吉州郡(キルジュグン)イムミョン面にあったが、1905年の日露戦争当時にここを通った旧日本軍に発見され、東京の靖国神社に移されて保管されてきた。