【社説】半分の成功にとどまった文大統領の欧州歴訪
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.10.22 13:08
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が欧州5カ国の歴訪を終えて昨日、帰国した。今回の歴訪は文大統領が伝えた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の招請にローマ法王フランシスコが肯定的な反応を見せたという点では成功だ。法王はその間、米国-キューバ間国交正常化およびコロンビア和平合意の妥結の際、大きな活躍をして平和の使徒としてあがめられる人物だ。そのような人物の訪朝は非核化はもちろん、北朝鮮の正常国家化にも確かに踏み石になるだろう。
だが、文大統領は欧州で北朝鮮への制裁緩和を訴えて苦しみを味わった。北朝鮮はすでに取り返しのつかないほど非核化をしたため、制裁を遅らせる必要があるというのが文大統領の論理だった。しかし、反応は冷やかだった。フランス・英国の首脳いずれも説得されるどころか、最近は米国も使わない「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」を呼びかけた。結局、「北朝鮮にCVIDを要求する」という表現はアジア欧州会合(ASEM)の共同声明に盛り込まれた。欧州をテコにして制裁緩和を導き出すという構想が失敗したわけだ。