韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領と北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長が韓半島（朝鮮半島）非核化問題を解決するための談判を開始した。１８日、北朝鮮平壌（ピョンヤン）を訪問した文大統領は、この日午後３時４５分から２時間にわたり朝鮮労働党中央委員会本部庁舎で金委員長と初日の首脳会談に臨んだ。金委員長は冒頭発言で「文大統領の疲れを知らない努力のために北南（南北）関係、朝米（米朝）関係が良くなった」と述べた。金委員長は「朝米対面の歴史的な出会いは文大統領のおかげといっても過言ではない」とし「これによって周辺の地域情勢が安定し、今後の朝米間にも継続して進展した結果が出るかもしれないと考える」と続けた。労働党本部庁舎で南北首脳会談が開かれたのは今回が初めてだ。

これについて文大統領は「我々が負っていて、そして負うべき重さを痛感し、重い責任感を感じている」とし「８０００万の民族に中秋の贈り物として豊かな結果を残せる会談になるよう願う。世界の人々にも平和と繁栄の結実を見せてられたらと思う」と述べた。

この日の会談には、韓国側からは徐薫（ソ・フン）国家情報院長と鄭義溶（チョン・ウィヨン）青瓦台（チョンワデ、大統領府）国家安保室長が、北朝鮮側からは金英哲（キム・ヨンチョル）労働党副委員長と金与正（キム・ヨジョン）労働党第１副部長が同席した。４月の板門店（パンムンジョム）会談時と比較すると、韓国出席者は任鍾皙（イム・ジョンソク）大統領秘書室長が鄭室長に変わった。鄭室長は米国と疎通してきた当事者だ。今回の会談の核心議題が米朝間の非核化交渉問題であることを示唆する注目するべき部分だ。

金委員長は、この日夕方の公式歓迎夕食会で「北と南が互いに手を取り合って志と力を合わせて、右往左往せずに前に進む時、道は開かれる」としながら「文大統領と板門店宣言を継承・発展させていくための諸般の問題を虚心坦壊に話し合いたい」と述べた。これに対し、文大統領は「韓半島の完全な非核化と平和の定着も重要な議題」とし「恒久的平和と平和繁栄に向けた大きな絵を描いていく」と述べた。文大統領は１９日午前、金委員長との２回目の会談に臨む。

ここで結論が導き出される場合、共同メディア発表を行う可能性がある。ただし、合意文に非核化に関する進展した内容が入るかどうかは未知数だ。青瓦台高位関係者は「北朝鮮はトランプ米大統領に直接会う前に非核化交渉カードを公表するのを避ける」とし「このため、非核化は口頭合意方式で発表する案も考慮している」と述べた。また「口頭合意であっても、板門店会談で金委員長が豊渓里（プンゲリ）実験場閉鎖の約束を守ったことと同じ拘束力を帯びることになる」と説明した。

文大統領はこの日午前８時５５分、京畿道城南（キョンギド・ソンナム）のソウル空港を出発して西海（ソヘ、黄海）直航路を経て午前９時４９分に平壌順安空港に到着し、空港では金委員長と李雪主（リ・ソルジュ）夫人の出迎えを受けた。