【社説】「氏族社会」に転落した2018年大韓民国

【社説】「氏族社会」に転落した2018年大韓民国

2018年10月20日12時24分
[ⓒ 中央SUNDAY/中央日報日本語版]
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  血は水よりも濃いというが、それにしてもひどい。ソウル交通公社で浮上した「雇用世襲」疑惑が公共部門全体に広がる兆候が見えている。仁川(インチョン)空港公社の協力会社6社で14件の親戚採用不正が確認された。仁川空港公社は文在寅(ムン・ジェイン)大統領が昨年の就任後、最初の外部日程として訪問して「非正規職ゼロ時代」を宣言したところだ。仁川空港公社はその後、協力会社の非正規職およそ1万人全員の正規職転換を推進した。このような発表が出た直後、協力会社の幹部1人は親戚4人を非正規職に採用した。正規職への転換を狙って非正規職として入社したという疑惑が生じるしかない。韓国国土情報公社でも正規職員の直系家族の正規職転換事例19件が確認された。

  3月に無期契約職1285人を正規職に転換したソウル交通公社では、在職者の家族・親戚109人が恩恵を受けた。交通公社の人事担当幹部も妻を正規職にしたというのだから「ファミリービジネス」と変わらない。全国民主労働組合総連盟(民主労総)が統合進歩党の関係者2人を武器契約職として「企画入社」させ、雇用世襲過程に暴力的に介入したという疑惑まで提起された。

  雇用世襲はこれら公企業だけで行われたのではないはずだ。政府が非正規職の正規職化を強く進める状況で、組織力が強い公企業労働組合の組織利己主義が猛威を振るったとみられる。公企業の巨大労働組合が既得権を強化するために国家権力と結託したという批判が出てくる理由だ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)の「国民請願」掲示板には、地方自治体傘下の公企業を含むすべての公企業を全数調査すべきだという主張が出てきている。また、国会の国政調査と監査院監査も直ちに着手しなければいけない。

  一部の大企業労働組合の雇用世襲も青年求職者を挫折させるのは同じだ。雇用世襲は均等な採用機会を保障する雇用政策基本法を違反するものだ。しかし一部の大企業労働組合は団体協約を前に出して不公正な慣行を続けてきた。団体協約に雇用世襲条項がある企業は現代自動車など29社にのぼる。雇用労働部は労働組合の表情を見ながら自律是正を勧告するラインにとどまっている。政府の責任放棄だ。

  国民が雇用世襲に怒るのは採用の公正性が毀損されたためかもしれないが、就職がますます難しくなっているためでもある。韓国銀行(韓銀)は一昨日、政策金利を据え置き、今年の成長率予測値を2.9%から2.7%に下方修正した。今年の就業者増加は9万人に下方修正した。年初には30万人増加すると予想していた。雇用政府を標ぼうするこの政権では就職がこれほど難しくなっているが、運が良い人は家族や親戚のおかげで「就職高速道路」を疾走している。大韓民国がいつから「氏族社会」に後退したかと嘆く声も聞こえる。

  企業の投資が回復してこそ経済が成長し、雇用も増える。しかし設備投資は8月まで6カ月連続で減少した。これは通貨危機以降、最も長い。文在寅大統領は「良い雇用をつくるのは結局、企業だ」と述べた。民間と企業が活発になるよう政策が変わるのではという期待感が高まったが、まだ特に変化は見えない。むしろ金東ヨン(キム・ドンヨン)経済副首相ら政策当局者は所得主導成長を守るという立場を再確認した。洪長杓(ホン・ジャンピョ)元青瓦台経済首席秘書官(所得主導成長特別委員長)は企業が雇用を創出できなければ政府が寄与すべきだと主張した。何も変えなければ何も変わらない。
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