EU「韓国、ILO条約批准努力せず」

EU「韓国、ILO条約批准努力せず」

2018年12月18日08時13分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  欧州連合(EU)が国際労働機関(ILO)核心条約批准の努力を韓国が怠っているとして、紛争解決手続きに着手した。ILO核心条約批准の努力は韓EU自由貿易協定(FTA)に明示されている。

  韓国は8件のILO核心条約のうち4件を批准した。公務員や失業者にも労働組合結成の自由を与える結社の自由関連条約など4件は国内労使関係の事情のため保留している。

  雇用労働部はEUの紛争解決手続きに合わせて、これを積極的に活用しようとしている。「ILO条約批准を先送りすれば国の威信が失墜するおそれがある」という理由を挙げながらだ。ILO核心条約の批准は文在寅(ムン・ジェイン)大統領の大統領選挙公約だ。

  雇用部によると、EU執行委員会は韓EU間FTA「貿易と持続可能な発展の章」の「ILO核心条約批准のために持続的に努力する」という条項を挙げて政府間協議を要請してきた。政府間協議は紛争解決のための最初の手続き。書面または会議などの方式で政府間協議が進行され、ここで結論が出なければ貿易と持続可能な発展委員会を招集して議論する。それでも90日以内に解決しなければ専門家パネルが招集される。専門家パネルは韓国とEUの各6人、第3国の6人でパネル招集要請から2カ月以内に構成される。専門家パネルは事案を検討した後、勧告や助言を入れた報告書を出し、これに対する履行点検に着手する。

  ◆貿易制裁とは関係ない勧告

  しかしこの手続きに基づく勧告や助言には強制性がない。特恵関税撤廃や金銭的賠償のような貿易制裁にはつながらない勧告的な意味にすぎない。

  キム・デファン雇用部国際協力官は「FTA協定文に紛争(Dispute Settlement)と書かれているが、通商問題に飛び火しないため、厳密に言えば紛争というよりも調停や勧告手続きに近い」と述べた。

  したがって今回の紛争手続きでのカギは政府の対応だ。政府がどれほど対立的な労使関係など韓国の事情を十分に伝えて理解を得るかが重要になるということだ。特にEUは紛争を解決するというが、直接的な圧力を加える動きは見せていない。

  ◆EU、当事者間協議を重要視

  EU執行委員会は通商政策を樹立する際、外部社会団体(産業団体、非政府組織、企業、地方自治体など)との協議と諮問を特に重視する。当事者との対話を強調する傾向が強いということだ。最終手続きである専門家パネルの決定と勧告に拘束力を付与しないのもこれと無関係ではない。説得を優先視するEUの外交政策が反映された解決手続きということだ。

  ただ、EUは基本権原則を尊重して実現するかどうかを判断する際、ILO監督機構の専門家委員会や基準適用委員会、結社の自由委員会の判断に大きく依存する傾向がある。韓国が16カ国とFTAを締結した中、ILO核心条約批准を入れたのはEUとのFTAが唯一であるのもこうした傾向のためだ。

  もちろん韓米FTAをはじめとするそのほかのFTAにも労働基本権に関する内容は明示されている。しかし明示的に条約締結義務を付与していない。概して解釈の余地を設けたり、貿易などに直接的な影響を及ぼした場合に限って問題にする。韓米FTA19.2条に規定された義務は「ILO宣言」だけだ。19.2条の1項(結社の自由と団体交渉権の効果的認定など)の義務違反が成立するには、当事国は貿易または投資に影響を及ぼしたことを立証しなければいけない。米国は核心条約のうち2件だけに批准した状態だ。

  ◆韓国政府、積極的な釈明努力がカギ

  キム・デファン雇用部国際協力官は「政府間協議で、経済社会労働委員会で政労使対話が進行中という点などをブリーフィングする計画」と述べた。

  しかし現在の政府の動きを見ると、積極的に釈明するかどうかは未知数だ。むしろ政府はEUの動きをILO条約批准のための雰囲気醸成に活用するようだ。この日配布した報道資料で雇用部は「核心条約の批准が遅れる場合、国家的地位の失墜などを招きかねない」とし「ILO核心条約批准を完了するのが望ましい」と主張した。

  パク・ジスン高麗大法学専門大学院教授は「EUは当事者間協議と説得を非常に重視する」とし「経済社会労働委員会での議論とその過程での労使間の意見衝突事案などをよく説明する必要がある」と述べた。パク教授は韓EU間FTA韓国諮問団委員としてフォーラムで韓国の状況を直接ブリーフィングした。

  パク教授は「政府の協議だけでなく専門家フォーラムをうまく設けなければいけない」と強調した。また「韓国の労使関係や経済状況を考慮せずILOの勧告や指針をバイブルのように考える一部の学者だけが参加するのはいけない。韓国の状況を十分に伝達できる専門家を参加させるべきだ。そうでなければEUが報告書に『専門家も問題を認識した』という形で記述し、現実を度外視することになるだろう」と述べた。

  ◆政府間協議と専門家フォーラムの会議録を公開すべき

  特に「政府間協議の会議録と、専門家フォーラムが開かれるならばその会議録と出席者を透明に公開し、国民的な談論を集める作業が必要だ」というのがパク教授の助言だ。

  クォン・スンウォン淑明女子大経営学教授は「国内では各種政策で市場を規制しながら外ではグローバルに向けて加速化することが妥当なのか、よく考える必要がある」とし「国内の市場システムと制度を国際基準に合うように変える作業が先になければいけない」と述べた。

  経済社会労働委員会ではILO条約批准に関連して第1次政労使議論を終えた。第1次議論では労働界が要求した条約を批准するかどうかを扱った。労使間の合意には達しなかった。公益委員は労使議論の内容に基づき「ILO条約を批准すべき」という内容の公益案を採択した。

  第2次議論は18日から行われる。第2次議論ではILO条約批准のためのグローバルスタンダード型制度改善案が扱われる。主に経営界が要求した事案だ。ストライキ中の代替労働、職場占拠の禁止、不当労働行為の廃止などで、EUをはじめとする先進国はすべて採択している。
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